金髪にした長友佑都。4年前のリベンジなるか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 2018年6月8日、0-2というスコア以上に実力の差を見せつけられたスイス戦の直後、長友佑都はミックスゾーンで厳しい表情をしていた。
 
「厳しいなというひと言ですね。これではワールドカップで勝てない。スイスももちろん良いチームですけど、それでもこの相手でもある程度やれなければ、やっぱりワールドカップは厳しいなって率直に思いますね」
 
 問題は負け方である。戦術やテクニック云々ではなく、根本的なところさえ日本ができていなかった点に、長友は納得できなかった。

「単純にクオリティが劣っているのは認めないといけない。ただ、僕を含めてもっと走れなかったのかなって。もっとガムシャラにプレッシャーをかけて、そこで剥がされたとしても二度追いをして、スプリントをして。一人ひとりが走っているのかと言われたら、走っていないんじゃないかなと思っている。ボールを取った時に、じゃあ誰がスプリントで裏を狙って走っているのか。それを続けているのかというところ。単純なところですけど、まずやっぱりサッカーは走らないと勝てない。走れないうえにクオリティで負けているんだから、勝てないですよね」
 
 長友の中で何かが弾けたのだろう。翌9日のオフを経て10日の代表練習で、ひとつの決意を示す。なんと、金髪にしてきたのである。「スーパーサイヤ人にやりたかったんですけど、ただのスーパーゴリラになった」と言って記者団の笑いを誘いながらも、その眼差しは真剣そのものだった。
 
「チームの雰囲気もそうですけど、自分自身の気分も変えたいなというところもあって。このワールドカップでやっぱり自分も世界に対してアピールしたいという気持ちもありますし、いろんな思いがあって金髪にしました」
 
 金髪の話題が一段落し、チームの現状についての話になると、長友の表情から笑みが消える。
 
「僕自身は相当危機感を持っている。このままだと普通にワールドカップで3戦全敗もあり得ると思う。だからこそ大きな危機感を持っている。もっと引き締めるところは引き締めないといけない」
 
 その危機感を払拭する意味でも、やはり根本的なところを見つめ直す必要がある。それが長友の主張だ。
 
「戦術とか言ってますけど、その前に戦えているかというところなんですよ。魂を持って本当に一人ひとりが戦って走っているのか、そこは自分自身にも甘さがあると思う。戦術ももちろん大事ですけど、逃げなのかなと。自分がスプリントで動けてないとか、自分が戦えてないから、だから戦術という方向に逃げに走っているという捉え方もあるんじゃないかと。まずは戦う、走る、そういう基本的な部分を見せたい」
 
 悔いを残したくない。長友を奮い立たせるのは、4年前の苦い記憶だ。
 
「やっぱり4年前のワールドカップであれだけ悔しい思いをして、この4年間引きずってきたわけじゃないけど、やっぱり傷は残っていた」
 
 特にショッキングだったのはコロンビアとのグループリーグ第3戦での敗戦。一時は1-1と追いつきながらも終わってみれば1-4と、プライドは木っ端微塵に砕け散った。
 
「ズタズタにされたんでね。お前ら、そんなんじゃ通用しねえよと。ボクシングで言うと、思いっきり鼻にパンチを入れられて、失神して倒れるくらいのレベルの試合だった。だからこそ、借りを返したいし、この4年間どういう気持ちで過ごしてきたかは彼らには分からないと思うから。それを強い気持ちでピッチにぶつけたいですね」
 
 もちろん、ワールドカップが甘くないことは十二分に承知している。だから、理想なんて求めない。