ルパート・エヴェレット(Rupert Everett) photo : AFLO

1980年代に映画『アナザー・カントリー』などに出演、ヒュー・グラントやコリン・ファースらとともに英国美青年俳優として人気を博したルパート・エヴェレット。ゲイであることが理由で役を失ったとハリウッドの実態を暴露している。

1989年に半自伝的小説『哀れ、ダーリンは娼夫?』を発表、ゲイであることをカミングアウトしていたルパート・エヴェレット。最近のインタビューで「映画界は攻撃的なほど異性愛者の世界」でゲイの俳優たちは「二流の人間のように扱われる」と語っている。

「僕がもらえなかった役はたくさんあり、それにはそれぞれ違う理由がある。一部は僕がいい俳優ではなかったからかもしれないし、オーディションがひどかったからかもしれない。それが一番大きな理由だろう」とコメント。「でも僕の演技がとてもうまくいって監督や他の俳優たちが僕の出演を求めていたのに、制作会社によって拒まれた作品が3、4本ある。僕がゲイだということだけが理由だ」と性的指向に対する差別があることを指摘。

『アナザー・カントリー』 コリン・ファース(Colin Firth)、ルパート・エヴェレット(Rupert Everett) photo : AFLO

今では脚本家、監督としても活躍しているエヴェレット。最近はオスカー・ワイルド原作の『幸せな王子』を監督主演、コリン・ファースとの再共演も果たしている。「同性愛者に対する差別は確実に起きている。でも同時にそれが僕の一部にもなっている。そういうものと格闘することが、ある意味僕をいい状態にしている」「僕が異性愛者で休みなく働いていたら脚本家としての僕のキャリアは、実現しなかったと思う」とポジティブではあるけれど、これまでの道のりは楽ではなかったはず。カミングアウトする俳優も多く、同性愛者に対する偏見が少ないように見えるハリウッド。でも実態はそうとは言えないことが改めて明らかになった。

text: Yoko Nagasaka