後半6分、西野ジャパン初ゴールとなる同点弾を決めたMF乾貴士

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[6.12 国際親善試合 日本4-2パラグアイ インスブルック]

 日本代表は12日、オーストリア・インスブルックのチボリ・シュタディオンでパラグアイ代表と対戦し、4-2の逆転勝利を飾った。前半32分に先制を許したが、後半6分、MF乾貴士が西野ジャパン第1号ゴールとなる同点弾を決めると、同18分にも乾が勝ち越しゴール。同32分にはオウンゴールで加点した。後半45分に1点を返されたが、後半アディショナルタイムにMF香川真司がダメ押しゴールを奪い、日本は2018年初勝利。西野ジャパン3試合目にして待望の初白星を飾った。チームは明日13日にロシアへ移動。ベースキャンプ地のカザンに入り、19日のW杯初戦・コロンビア戦(サランスク)に向けて調整を続ける。

 日本は8日のスイス戦(0-2)から先発10人を変更。唯一の連続先発となったDF酒井高徳もポジションは右サイドバックから左サイドバックに移った。GKは東口順昭で、4バックは右からDF遠藤航、DF植田直通、DF昌子源、酒井高。中盤はMF山口蛍とMF柴崎岳のダブルボランチで、2列目は右からFW武藤嘉紀、香川、乾と並んだ。1トップはFW岡崎慎司。山口がゲームキャプテンを務めた。[スタメン&布陣はコチラ]

 日本は前半2分、左サイドから中に切れ込んだ乾が右足でシュート。DFに当たったこぼれ球を山口が右足で思い切りよく狙ったが、大きく枠を外れる。序盤は日本がボールを支配する展開が続いたが、なかなか決定的な場面をつくれず、無得点のまま時間が過ぎた。

 高い位置から連動してプレッシングをかける日本だが、パラグアイもシンプルにロングボールを使ってプレスをかわす。前半24分にはFKのセカンドボールをMFオスカル・ロメロが左足で狙ったが、ゴール右に外れた。

 試合は徐々に膠着状態に入り、パラグアイは前半32分、右サイドからロングスロー。ニアで昌子が競ったこぼれ球が中央に流れ、FWアントニオ・バレイロが頭で落とすと、これをロメロがトラップで浮かして振り向きざまに左足を振り抜いた。鮮やかなボレーシュートがゴール右隅に決まり、先制点を奪った。

 18年に入って5試合連続で先制を許す展開となった日本は直後の前半33分、細かくパスをつないで香川がラストパス。フリーで走り込んだ乾がPA内左から右足ワンタッチでシュートを打ったが、ゴール上に外してしまった。同40分にはPA左手前の位置でFKを獲得。柴崎が右足で直接狙ったが、惜しくもクロスバーを弾いてゴールを越えた。

 西野監督就任後、3試合連続で前半を0-1で折り返すと、ハーフタイムに2人を交代。東口に代わってGK中村航輔、遠藤に代わってDF酒井宏樹が入った。西野監督は公言どおり、スイス戦との2試合で23人全員を起用。すると後半6分、ついに西野ジャパン初ゴールが生まれた。

 昌子の縦パスを香川がワンタッチで流すと、乾が左サイドから中に持ち込み、PA手前から右足を一閃。鮮やかなミドルシュートをゴール右隅にねじ込んだ。1-1と試合を振り出しに戻す同点ゴールが西野ジャパン3試合目で待望の初ゴール。ゴールを決めた乾はベンチに向かって走っていき、チームメイトたちと喜びを分かち合った。

 乾は代表初ゴールを含む2得点を挙げた14年11月14日のホンジュラス戦(6-0)以来、約3年7か月ぶりとなる国際Aマッチ3ゴール目。さらに後半18分、右サイドから武藤が中央にグラウンダーのパスを入れると、香川がワンタッチで落とし、PA手前の乾が右足を振り抜く。これがGKの手を弾いてゴールネットを揺らした。

 乾の2ゴールで2-1と逆転に成功した日本はその直後に武藤を下げてFW大迫勇也を投入。香川が右サイドハーフに開き、大迫と岡崎が2トップを組む4-4-2にシステムを変更した。後半24分、高い位置でボールを奪取した山口からパスを受けた大迫が右足を振り抜くもGKがセーブ。同26分には大迫からラストパスを受けた香川がPA内右で切り返し、左足でシュートを打ったが、惜しくもゴール右に外れた。

 日本は後半29分、岡崎に代えてMF原口元気を投入。大迫が1トップ、香川がトップ下に入る4-2-3-1にシステムを戻し、原口は右サイドハーフに入った。すると後半32分、柴崎の左FKがFWフェデリコ・サンタンデールのオウンゴールを誘い、3-1。リードを2点に広げた。

 足の止まり始めたパラグアイを押し込む日本は後半35分、大迫のスルーパスに抜け出した原口がPA内右に切れ込み、中央にパス。決定的な場面だったが、香川の右足シュートはクロスバーを大きく越えてしまった。後半45分、MFリチャル・オルティスに豪快なミドルシュートを決められ、3-2と詰め寄られたが、後半アディショナルタイム1分に香川が4-2と突き放すダメ押しゴール。W杯前最後の強化試合で日本の10番が1ゴール2アシストと結果を残し、西野ジャパン初勝利に貢献した。

(取材・文 折戸岳彦)


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「スパイクに何か入ってる?」乾の2ゴールを生んだ西野監督の“珍指令”

・乾とのコンビに胸を張る香川「チームの武器になることを証明できた」

・4年前の教訓を胸に…勝利にも釘刺す香川「もう一度引き締める」

・鹿島コンビが“阿吽の守備”昌子「気持ち良さそうだな」植田「大好物です」

・山口蛍のキャプテンに驚いた?西野監督「乾、岡崎、本田がウッという顔を…」

・不慣れな右サイドで躍動した武藤、逆転弾は「3人の意思疎通が完全にできていた」

・守備のスイッチ入れた岡崎、“急造カルテット”は「一つのヒントになったと思う」

・右SBで奮闘も前半で交代した遠藤「悔しさが残る」

・相手のシュートがすごかったが…GK中村「止めるのが自分の仕事」

・先発10人変更のターンオーバーが奏功、西野監督「これからの準備が楽しみになった」

・対戦国も予測困難…西野監督ニヤリ「コロンビアは捉えづらい日本を見ているのでは」

・ポジション争い激化を覚悟する長谷部「監督も悩む」

・ベンチも一つに…長友「髪色を明るくして幸運が舞い降りた」

・監督会見

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