槙野(左)がハリルホジッチ前監督とのエピソードを明かした【写真:Getty Images】

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アプローチの距離1cmを詰めるのに数年 「見てろよ」の反骨心が成長の糧に

 日本代表は現地時間12日に国際親善試合パラグアイ戦に臨むなか、DF槙野智章はある恩人と「喧嘩することもあった」と明かしつつ、「でも実際そう言ってくれたり、映像を作ってくれて成長できた部分も正直ある」と感謝の言葉を口にしている。

 西野朗新体制の初陣となった5月30日の国際親善試合ガーナ戦(0-2)に続き、8日の同スイス戦(0-2)と2試合連続フル出場を果たした槙野。3バックと4バックの両方に対応するユーティリティ性や対人プレーの強さを買われ、西野監督からも高い評価を得ている。

 そんな槙野が「ディフェンダーにとってのアプローチの距離」の重要性を力説。「詰めれば詰めるほどリスクもある。僕にとって1cm、2cmを詰めるのに数年かかりました」と振り返っている。「詰めることによって、身体に当たったり、ボールを奪えたり、逆に抜かれたりもある。たかが1cmかもしれないけど、詰めるのに数年かかった」というが、その後押しをしてくれたのがこれまで携わった指導者だという。

 その中の一人として、バヒド・ハリルホジッチ前監督の名前も挙げている。「僕は褒めて伸びるタイプではあるものの、ダメな映像とかで怒られ、『見てろよ』と思ったのが詰めることにつながった」という。反骨心が成長の糧になったという槙野。「そこで喧嘩することもあった」と、一つのエピソードを語っている。


まるで禅問答…最後は「サッカーは常に進歩するものだ」

「先月あなたがこうしろと言ったからしたのに、今月はこれが違うってどういうことですかと。そしたら『サッカーは常に進歩するものだ』と」

 話が違うという状況に直面し、槙野も思わず反論したというが、最終的にはまるで禅問答のようなやり取りに終わっている。これには槙野も思うところがあったようだが、その一方で成長を促してくれた言動に感謝も忘れていない

「『なんだよ、この人』って思いながら。でも実際そう言ってくれたり、映像を作ってくれて成長できた部分も正直ある」

 槙野にとって初のW杯出場がいよいよ目前に迫ってきた。31歳にしてつかみ取ったチャンスを前に、背番号20は人並み以上の意欲を燃やしている。


(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)