Appleと言えばiPhone、iPhoneと言えばFoxconnと言っても過言ではないほど、この3つは密接な関係にあります。しかし、iPhone組み立てを請け負う最大のサプライヤーFoxconnは、工場向けロボット技術の開発などによって、Appleからの依存度を低める動きを見せています。

上場初日に株価44%暴騰

Foxconnが抱えるグループ企業の1つ、Foxconn Industrial Internet(FII)は、クラウドコンピューティングの開発や、工場のスマート化・オートメーション化をなどを請け持っています。
 
例えば、iPhone組み立てに利用されているロボット「Foxbot」は、FIIが手がける製品の代表例です。こうしたロボットが将来的に、大量に安価な労働力を確保する「人海戦術」に取って代わる日が来ることを、Foxconnは身をもって証明していると言えるでしょう。契約先には、AmazonやApple、Ciscoなど、名だたるテクノロジー企業が並びます。
 
そんなFIIが8日、上海の株式市場に上場を果たしましたが、驚くのは株価の記録的な上昇ぶりです。株式市場がオープンするや否や、同社の株価は初日だけで44%も暴騰しました。
 
しかも44%という値は、取引所の変動制限に引っかかったから(ストップ高)に過ぎず、今後も続騰する余地を大いに残しています。これによって、FIIは市場で3,900億元(約6兆円)もの資金を一挙に調達したことになります。

「iPhoneの組み立て工場」のままではない

こうした動きは、Foxconnが「Appleの組立工場」から脱却し、技術を提供するテクノロジー企業へと転身しようとしていると指摘するのには十分で、株価の暴騰も彼らの将来性を見込んだ期待感の表れだと言えるでしょう。
 
Foxconnは現在、収益の多くをAppleから得ていますが、スマートフォン市場が飽和状態になったと叫ばれて久しい今、このままiPhoneを組み立て続けていても、これまでのような爆発的な利益は見込みにくい状況です。
 
事実、Appleが次世代iPhoneの生産台数をiPhone Xよりも20%少なくするという報道からも、市場が頭打ちとなっている傾向は明らかで、Foxconnがロボットなど自社の強みを活かし、新たな活路を見出そうとするのは自然な流れです。
 
他にも同社は、有機EL(OLED)ディスプレイの自社開発やMicroLED企業の買収計画に乗り出したり、東芝のメモリー事業買収に前向きな姿勢を見せたりと、独立したサプライヤーとしての側面も年々強めています。

過去にはAppleとの契約終了で破綻しかけたサプライヤーも

iPhoneへ長年GPUを提供してきたサプライヤーであるImagination Technologieは、Appleとの契約終了によって破綻寸前にとなり、最終的には中国系ファンドに買収されました。
 
また、バッテリーの制御回路を請け負うDialogは、Appleがチップを内製化するのではという噂や受注割当の減少によって、時価総額を大きく減らしています。
 
これらのサプライヤーに共通しているのは、Appleへの依存度が高すぎる(た)ことです。iPhoneの生産台数を思えば、依存が強まるのも仕方のないことではありますが、Foxconnとしては「彼らと同じ轍は踏むまい」ということなのでしょう。
 
 
Source:Bloomberg
Photo:Flickr-iphonedigital
(kihachi)