2失点を喫し、攻撃も不発。スイス戦は不安ばかりが募る内容だった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 6月8日にアウェーで行なわれたスイスとの親善試合に0-2で敗れた日本。この結果は、韓国でも報じられている。
 
「“無気力なサムライ”日本、スイスとの親善試合に0-2で敗れる」(『スポーツトゥデイ』)
「日本、欧州での初のテストマッチでスイスに0-2完敗」(『news1』)
「日本、スイスに0-2で敗戦…西野ジャパン発足後、衝撃の2連敗」(『OSEN』)
 
 といった具合だが、ロシア・ワールドカップ直前のテストマッチで結果を残せていないことに触れるメディアが多い。
 
 例えば、『スポーツ・ソウル』は、「日本Aマッチ3連敗で低迷…監督交代後も勝てず」と報じている。「日本が低迷に陥った。不安を抱えるままワールドカップの準備を進めている」と切り出した記事では、3月のウクライナ戦(1-2)も含めると日本は3連敗中であると紹介。急きょ監督を交代したことについて「無理のある交代を強行した」としながら、「少なくとも最近のAマッチの成績を見る限り、日本の歩みは不安だ」と伝えていた。
 
 直近の2戦で1分け1敗と勝てていない韓国と並べて、日本が置かれた状況について報じるメディアもあった。「韓国と似ている日本、ガーナに撲殺され、またしても…」とヘッドラインを置いたのは『SPORTSQ』だ。
 
 記事は、「日本がガーナに続いてスイスにも木っ端みじんにされた」としながら、「日本も韓国と同じぐらい悩みが多い」と報じた。さらに、韓国がスウェーデン、メキシコ、ドイツと同じF組に入ったことと比較し、「日本は韓国よりもマシな組に入ったように見えた」と振り返りつつ、ガーナとスイスに敗れたことで「暗雲が立ち込めている」と綴っている。
 
 一方、この日の試合内容について報じるメディアもあった。特に、攻撃が機能しなかったと伝えるメディアが目立っている印象だ。
 
『SPOTVNEWS』は、「“監督交代”の超強手も無意味…日本のワールドカップは険しい」とした記事で、ガーナ戦でテストした3バックが不発だったことを振り返りながら、スイス戦で採用した4-2-3-1についても言及。「もっとも頻繁に使われてきたフォーメーション」と前置きしつつ、「それでも大きな効果は見られなかった」と報じた。さらに、「一応、自陣ではボールを回せていた」「中盤までもボールを運べていた」としながらも、「問題は、得点につなげるには攻撃の精密さがあまりに足りなかったことだ」と指摘している。
 
 そして、前線まで攻め込んでも後ろに戻す場面が多かったことに対し、「日本サッカーの慢性的な限界が露呈された」「サッカーはゴールで語らなければならない」とも綴っている。
 
 そのほかにも、「日本は基本的なパスをつなぐことさえもままならず、自滅した」「交代カードを使い反撃を試みたが、役不足だった」と報じた『OSEN』など、攻撃の不発を指摘するメディアは多い。
 
 また、守備に対しても、韓国メディアの評価は手厳しい。
 
 前出の『スポーツ・ソウル』は、「日本の守備は大きく揺れていた」として、「スコアは0-2で終わったが、スイスが主導権を握り、終始日本を脅かしていた」と報道。「日本からすれば、2点差で終わってラッキーな試合だった」と伝えている。
 
 ガーナ戦に続き、スイス戦でも完敗を喫した西野ジャパン。12日のパラグアイ戦はワールドカップに向けた最後のテストマッチとなるが、この試合にも韓国から関心が寄せられることは間違いなさそうだ。
 
取材・文●李仁守(ピッチコミュニケーションズ)

【日本代表PHOTO】スイス2-0日本|西野ジャパンがまたしても2失点の完敗。ガーナ戦に続いて2連敗を喫する