目のかゆみに悩む女性

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「目がかゆい」という症状は、主に花粉症などのアレルギー反応が原因で生じます。目がかゆくなる原因やメカニズム、適切な対処法、かゆくなる前の予防法などについて、吉祥寺森岡眼科院長の森岡清史先生にお伺いしました。

目次

目がかゆい原因とは睡眠時に生じる目のかゆみ目がかゆいときの対処法目がかゆくなる前の予防法

 

目がかゆい原因とは

目にかゆみが生じるのは、主に花粉やハウスダストなどへのアレルギー反応によるものといわれています。

目がかゆくなるメカニズム

アレルギーの原因物質(アレルゲン)が身体に侵入してくると、IgE抗体というアレルゲンと結合する物質がつくられ、目の粘膜などに存在する肥満細胞(マスト細胞)などの表面に結合します。このIgE抗体をもった人が再びアレルゲンにさらされると、アレルゲンとIgE抗体が結合し、肥満細胞が刺激を受けることで「ヒスタミン」などの物質が放出されます。このヒスタミンが知覚細胞を刺激して脳に『かゆい』という情報を伝えるため、目のかゆみや充血などの免疫(アレルギー)反応が生じます。
 
「目の中に、繰り返し花粉やハウスダストなどのアレルゲンが入ってしまうことで、アレルギー反応が起こり、かゆみを感じたり、炎症によって充血したりするのです」(森岡先生)

目のかゆみを引き起こすアレルギー反応

アレルギー反応で生じる目のかゆみは、主に花粉が原因で生じる「季節性アレルギー」と、ダニ、ほこりなどが原因で起こる「通年性アレルギー」に分けられます。

季節性アレルギー

季節性アレルギーは、ある特定の期間にだけ目のかゆみを感じる、一般的に「花粉症」と呼ばれる疾患を指します。アレルギーの原因は花粉の飛散で、春はスギやヒノキ、夏はカモガヤやオオアワガエリ、秋はブタクサやヨモギなどによってアレルギー反応が生じます。
 
「季節性アレルギーは、まぶたの裏側にある粘膜の瞼結膜(けんけつまく)で発症する『アレルギー性結膜炎』が代表的です。症状がひどい場合は『春季カタル』と呼ばれ、視力低下や目の痛みなども併発します。春季カタルは、学童期に発症しやすい病気なので、お子さんが目のかゆみを訴えている場合は早めに眼科を受診してください」(森岡先生)

通年性アレルギー

通年性アレルギーとは、季節を問わずに発症する疾患で、人によっては1年中、目のかゆみに悩まされることもあります。多くは、ダニやほこりなどが原因といわれています。
 
「室内の空気の入れ替えが行われていなかったり、掃除をおろそかにしていたりすると、ダニの繁殖やほこりが発生します。それがアレルゲンとなり、目にかゆみが生じてしまいます」(森岡先生)

睡眠時に生じる目のかゆみ

布団やベッドで寝ているときに目がかゆくなる場合、寝具にアレルゲンが付着している可能性があります。ここでは、花粉やダニ、ハウスダストなどの原因別に対処法をご紹介します。

「天日干し」は布団に花粉を付着させる原因

天気のよい日は外に布団を干したくなりますが、花粉症の人にはあまりオススメできません。天日干しによって寝具に花粉が付着するため、睡眠中に目のかゆみを引き起こす原因になります。
 
例えば、春に飛散するスギ花粉の場合、飛散が始まってから1週間〜10日間ほどでもっとも多くの花粉が飛び、寝具に付着する量も増加するため、外に干すのは避けましょう。天気がよく、気温の高い日は花粉が飛散しやすくなるので注意が必要です。

寝具は「乾燥」と「清潔」をキープする

ダニやほこりなどが原因で睡眠時に目のかゆみが生じる場合は、寝具を「清潔で乾燥した状態」に保つことで対策が可能です。寝具を2週間以上洗っていないという人は、ほこりが付着した不衛生な状態で一晩中眠っていることになるため、すぐにケアをしましょう。ダニは温度20〜30度、湿度50〜75%の環境を好むといわれています。睡眠時は汗をかき、皮脂が付着するため、知らず知らずのうちに寝具が汚れていくので、ダニが繁殖しやすい状態になってしまいます。
 
天気のよい日は、寝具を干したり、乾燥機にかけたりして、ドライな状態をキープすることが大切です。干した後の寝具にはダニの死骸が残っているので、掃除機で吸い取ることを忘れないようにしましょう。また、汗をかきやすい夏場は週に1回、冬場は2週間に1回を目安に寝具を洗濯し、清潔な状態に保つことも大切です。
 
寝具の定期的なメンテナンスは、目のかゆみを防ぐだけでなく、気持ちよく眠るためにも重要なことです。目のかゆみや睡眠の質がアップして、いつも以上に快適な1日を過ごせるようになるかもしれません。

目がかゆいときの対処法

目がかゆいときの対処法には、目のかゆみの原因となる「ヒスタミン」に働きかける目薬を使用する方法が一般的です。

目のかゆみを和らげる目薬

目のかゆみに効果的な目薬には、「ヒスタミンの放出を抑制する」「ヒスタミンの働きを抑える」働きを持つ成分が含まれています。
 
「代表的なものは『インタール』です。抗アレルギー点眼薬と呼ばれ、ヒスタミンの放出を阻止する働きがあります。また、『リボスチン』は抗ヒスタミン点眼薬とされており、放出された後のヒスタミンの作用をブロックする働きがあります。ヒスタミンが放出されると結膜内の毛細血管が拡張して目の充血が生じるため、炎症を抑える『ステロイド薬』を併用することもあります」(森岡先生)

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目のかゆみに伴う目やにへの対処法

目がかゆいときに「目やに」が出ることもありますが、森岡先生によると、それは「アレルギー自体の症状ではなく、かゆみで目をこすってしまうことで起こる2次感染によるもの」だといいます。
 
「かゆみや充血を伴って目やにが出る場合、目の粘膜に細菌が侵入したことが原因の可能性があります。アレルギーなどによる炎症で弱っている目の結膜に、目をこすったりすることで黄色ブドウ球菌や連鎖球菌のような感染症を引き起こす細菌がくっつくと、『細菌性結膜炎』という眼病が起こります。すると、細菌から目を守るために白血球が働き、その死骸が目やにとなって発生します。かゆみによって手などでこすってしまうことが原因になるため、かゆみを抑える点眼薬のほかに、抗菌作用のある目薬を併用することで目やにを抑えることができます」(森岡先生)
 
とくに睡眠中は無意識に目をこすってしまうこともあるため、目やにの発生を助長する恐れがあります。就寝前にかゆみを和らげる目薬を使用するなどで対応するようにしましょう。

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目がかゆくなる前の予防法

目のかゆみを予防するためには、かゆみを発生させない“目に優しい”生活を送ることを意識してみましょう。代表的な予防方法には、次のようなものがあります。

目をよく洗う

花粉によって目のかゆみが生じている人は、目の表面に付着した花粉を洗い流すことが有効な予防法です。
 
「外出後に水道水や専用の洗眼液で、目の表面に付着した花粉を洗い流すことで、かゆみ予防ができます。花粉は衣服に付着している可能性もあるため、洋服ブラシを使って衣服の花粉を落とすことも徹底するとよいでしょう」(森岡先生)

花粉症防止用メガネを装着する

花粉が飛散する季節は、花粉が目に入り込むのを防止しましょう。通常のメガネでも目に入る花粉の量はおよそ40%減少するそうですが、花粉症用のメガネであれば65%も減少させることができます。
 
今回は、目のかゆみの代表的な原因であるアレルゲンについて、その対策や予防法をご紹介しました。ただし、他にもアレルギー反応が生じる原因は多数あるといわれているため、目のかゆみで困っている人は、まずは眼科でアレルギー検査を受けることが大切です。
 
<参照>
奥羽大学
http://www.ohu-u.ac.jp/faculty/research/researchP5.html
 
日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease.jsp
 
「家庭の医学」(主婦の友社)
 
「花粉症環境保健マニュアル2014」(環境省)
https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/full.pdf

photo:Getty Images

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