現状は、CBまたはストッパーの三番手に位置づけられる昌子。レギュラー奪還に向け、残された時間でどれだけアピールできるか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 ロシア行きを決めた昨年8月のホーム・オーストラリア戦もスタメンでピッチに立つなど、昌子源はアジア最終予選の終盤にCBのレギュラーを掴みかけた。
 
 しかし、良い流れは長くは続かなかった。ブラジル、ベルギーと戦った昨年の11月シリーズは出番なし。国内組で臨んだE-1選手権こそ腕章を託されて全3試合に出場も、マリ、ウクライナと相まみえた今年の3月シリーズでは、最終ラインの軸である吉田麻也が不在のなか、槙野智章が2試合とも先発したのに対し、昌子はマリ戦のみの出場に終わった。
 
 そして西野朗監督の初陣となった先のガーナ戦では3バックが採用されたが、6人まで交代が可能なゲームで、ベンチスタートの昌子には最後まで声がかからなかった。
 
 予選後の起用法を見る限り、4バックならCB、3バックならストッパーの序列において、昌子の位置づけは、吉田、槙野に次ぐ三番手を鹿島でチームメイトの植田直通と争っている、といったところだろう。
 
 もっとも昌子自身、今の自分が置かれている立場をそこまで悲観してはいない。
 
「僕のサッカー人生は、いつも悔しい想いをしてきた。階段を一気に二段、三段と飛んだこともない。一段ずつ上がっていって、時には二段落ちることもある。
 
 でも、間違いなくそういう経験が僕を強くしてくれている。そういう経験があるから、23人に選ばれて、またここからやるっていう気持ちにもなっている。
 
 まずはチームが勝つっていうのを前提に考えて、そこで自分が出られれば、自分の仕事は必ずやっていきたい」
 
 大会が近づくにつれて、ワールドカップを特集するテレビ番組も増えてきた。昌子もそれを目にする機会があったようで、「対戦相手で注目の選手といえば、絶対にフォワードなんですよ。基本、エースストライカーとか」という感想を持った。
 
 だからこそ、燃えるものがある。
 
「やっぱり僕はディフェンスなんで、こういう人らとやるんかと、自然と(気持ちが)入っていきますし。僕がこの人らに負ける時、失点イコール負けとなる。常に強い気持ちを持っていないといけないポジションだし、相手が誰であろうと、とにかく自分はいける、勝てると、そういう気持ちを出すのが大事だと思っています」

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 6月5日はセットプレーの練習が行なわれ、昌子は不動のディフェンスリーダーである吉田と組むこともあったが、「やるべきことは変わらない」と話す。
 
「相方が誰で、前が誰でも、それぞれのクセだったり、ストロング、ウィークポイントは両方分かっているつもりです。チームとして戦うべきところと、個人として戦うべきところは、自分の中ではけっこうクリアになっている」
 
 6月19日のコロンビアとの初戦まで、まだ時間は残されている。スイス、パラグアイとのテストマッチも控えており、普段のトレーニングも含め、どれだけアピールできるか。すでにレギュラーからサブ降格という“後退”を味わっている。だが、このまま終わるわけにはいかない。
 
 着実に一歩ずつ、這い上がってきた経験がある。次は、階段を上る番だ。