ガーナ戦で可能性を示した柴崎。写真:サッカーダイジェスト

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 5月30日のガーナ戦でキラリと光るプレーを見せてくれたのが柴崎岳だった。59分に山口蛍に代わってピッチに立つと、いきなりミドルレンジからシュート。その後も積極的にボールを呼び込み、攻めの縦パスでチャンスを演出したのだ。
 
「なるべくチャレンジをするようにしていました。奪われなければ、リスクを負う必要もないので自信を持っていこうと。相手が出てくれば、もう1個前線を使えましたし、引いてくればミドルシュートも打てるシーンだったと思う。そこは個人としても良いプレーができたのかなと」
 
 チャレンジの意思が見えたシーンのひとつが、62分の縦パス。敵陣で中央よりも左サイド寄りにいた柴崎は、フリーの長友に預けず、最前線にいた武藤嘉紀めがけて送ったそれである。
 
「空いているところはありましたし、見えていました。アイデアとしてはいいものだったと思うので、あとは左足のスルーパスの精度だけだったと思う」
 
 前半の日本はサイドからのクロスに頼り過ぎていて単調な攻撃を繰り返すだけだった。そこに柴崎というスパイスが加わり、相手にしたら厄介な“縦パス”が増えた。パスを出す位置、ポジショニングも素晴らしかったのは前半からガーナの癖を掴んでいたからだろう。
 
「負けていたので、点を取るために使われたはずですし、攻撃のアイデアを出してゴールに迫りたいと思って試合に入りました。その前の展開としては、前半を見ていて相手の空いているところやこうしたほうがいいなというのを頭に入れながら、ポジション取りを意識してプレーしていました」
 
 66分、さらに87分の縦パスもセンスに溢れていた。記者が見るかぎり、その2本のパスのクオリティも素晴らしく、ゴールに結びつかなかったのは受け手の問題だったようにも思えた。しかし、「受け手に感じてほしかったか?」という質問に対し、柴崎はこう回答した。
 
「そんな上からではないです(笑)。非常に良い動き出しをしてくれたと思いますし、あとは自分の精度次第です」
 
 あくまで自身にクオリティを求める柴崎。個を高める作業が最終的にチーム力へとつながっていくことをこの男は理解している。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)