これまで3バックでのプレーが多かった遠藤。「起用してもらえれば」との想いはあるはず。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 ロシアワールドカップに挑む日本代表に選ばれた浦和レッズの遠藤航が、5月31日の記者会見で、「選ばれるだけではなく、ピッチに立つことが目標」と、本番のピッチに立つことを誓った。とはいえ現状の立場はサブ。会見の中で彼はレギュラー奪取へのいくつかのキーワードを挙げた。
 
「初めてハリルホジッチ監督に選んでもらった時、このワールドカップメンバーに入ることが現実的な目標になりました。そこから日々、毎試合、いかに自分の良さを出していけるか、パフォーマンスを出していけるかを意識して取り組んできました」
 
 ロシアが目標になった。2015年8月、東アジアカップの北朝鮮戦で、遠藤はA代表デビューを果たす。翌年にはリオ五輪に主将として出場。それからもコンスタントにハリルジャパンに招集されてきた。しかしベストメンバーが揃う時は、ほとんどベンチやメンバー外だった。
 
 今回、23人には選ばれた。ただ遠藤はそれだけでは一切満足していない。むしろ、ここからだ。
 
 次なるテーマは、どうすれば試合に出られるか。ポジションを奪わなければいけない。
 
「僕の良さは、いろんなポジションをできることだと思います。けれど槙野選手も同様のことを言っていましたが、いろんなポジションをできるメリットとデメリットがあって、どうしても2番手、3番手のままで、器用貧乏になりやすい。それが僕の現状なのかなと思っています」
 
 遠藤は自らを器用貧乏と言った。ただ、西野朗監督の就任に伴い、3バックが初陣のガーナ戦でテストされた。遠藤は、湘南と浦和で右ストッパーとしてチャンスメイクや多くのゴールに絡み、さらに浦和ではリベロでも多く起用されてきた。3バックをメインにするのであれば、十分、出場機会を掴むチャンスはある。
 
「西野監督が就任して3バックに取り組み、それを僕はすごくポジティブに捉えています。ずっとやっていたポジションが3バックの真ん中や右なので、そこのポジションでチャンスをもらえれば、自分の良さを出せる自信があります」

 日本代表は昨年9月のワールドカップ出場権獲得から、なかなか結果を残せずにいる。ただ遠藤は本番でこそ結果を残す好機でもあると受け止める。

「(ワールドカップ本番が)どのフォーメーションになるか分かりませんが、しっかり自分のそういう良さを出していければ、出場に近づけるのかなと思います」
 そして、彼は対戦してみたい相手に、今、最も旬と言えるポーランド代表ストライカーの名前を挙げた。

「レヴァンドフスキ選手です。高さもあり、両足のシュート力もあり、ためも作れて、フィジカルも強く。あそこまでなんでもできるストライカーはなかなかいません。まず試合に出場しなければいけないけれど、実際に体感できれば、いい経験になると思っています」
 
 遠藤は守備の職人だ。屈強かつバランスの良いしなやかな身体でボールを奪い、そこから持ち上がったり、クサビのパスを放ったりして攻撃の起点になれる。そして遠藤自身もゴールを狙っていける。

“サプライズなし”と言われる日本代表の23人が選ばれた。ただ、ワールドカップ本番でサプライズを起こす時には、遠藤が3バックのどこかでポジションを掴んでいるもしれない。

取材・文:塚越 始