課題の守備面が改善されれば、伊藤の存在感はさらに増すはずだ。(C) SOCCER DIGEST

写真拡大

 188センチのサイズに良質な左足。ボランチの位置でボールを引き出し、隙あらば鋭い縦パスを前線に付ける。スケールの大きなプレーで将来を嘱望されている逸材が、U-19日本代表の伊藤洋輝(磐田)だ。
 
 伊藤は高校3年生の昨年5月、磐田U-18からトップチームへ昇格。同世代の選手よりも一足早くプロの世界に足を踏み入れた。
 
 1年目に続き、2年目の今季もリーグ戦で出場機会を得られていないが、ルヴァンカップでは4試合に出場。少しずつプロの水に慣れ、出番を増やしている。

 U-19日本代表では立ち上げ当初からリストに名を連ね、昨秋のU-19アジア選手権・1次予選にも参戦。活躍の場は同世代のチームだけに留まらない。東京五輪を目指すU-21世代のグループにも飛び級で呼ばれ、昨年7月のU-23アジア選手権予選、今年1月の同本選を戦った。

 5月28日から大阪でU-19日本代表の合宿が行なわれたが、招集された32名の中で伊藤の経験値は頭ひとつ抜けていた。チームを指揮する影山雅永監督も要になる存在として期待を懸けており、本人も中心選手として戦う気概は十分。「プレーで引っ張っていけるようになりたい」と絶対的な存在になる決意を固めている。
 
 そんな、伊藤の成長を支えているのは、磐田での日々だ。とりわけ、名波浩監督と中村俊輔という日本を代表するレフティーから学びを得ている。
 
 ともに左足で鳴らし、元日本代表の肩書を持つレジェンド。偉大な先輩たちには日頃から目を掛けてもらっており、中村とは練習後に食事へ行くことも多い。「(中村さんに)自分が最近悩んでいたので、うまくいかなかったりした時のことを聞いた」と本人が言うように自ら質問し、積極的に教えを仰いでいる。
 
 そのなかで伊藤の記憶に残っているふたりからの助言がそれぞれある。中村からの言葉で脳裏に焼き付いているのは、ルヴァンカップ3節・甲府戦のハーフタイムに送られたアドバイスだ。「ボランチで自分はボールを持てていた。でも、(中村さんからは)ツータッチで入れるのではなくて、俺だったら一個先が見えているからワンタッチで前にボールを入れるよ」と、稀代のレフティーからの金言を授かった。
 
 一方、名波監督から言われたのは、中村とは対照的に守備のところだ。「ゴール前で身体を張ることを言われた。アジアの戦いだとそういうところで失点をしてしまうので」と、自身の課題であるデュエルの面で指摘を受けた。奇しくもU-19日本代表を指揮する影山監督も同様のことを口にしており、世界で戦うためには改善必須のポイントだ。
 
 スケールの大きさを感じさせる伊藤は名波監督と中村の寵愛を受け、さらなるステップアップを果たせるか。U-19日本代表で絶対的な存在になるためにも、「名波さんと俊さんの影響が一番大きい」というふたりから多くのものを吸収する構えだ。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

【U-21日本代表PHOTO】トゥーロン国際大会2018招集メンバー20人