青木拓磨、2020年のル・マン24時間に出場決定! VdeV選手権でLMP3クラス表彰台も獲得
初参戦のレースで早くも表彰台を獲得し期待が高まる!
まもなく第86回ル・マン24時間レースの決勝(6月16〜17日)が行われるが、このル・マンへの挑戦を長年夢見てきた青木拓磨のプロジェクトがついに始動した。
ここ数年、頻繁にフランスに通うなど、ル・マン参戦に向けて活動してきた青木選手。今回フレデリック・ソーセ率いる「SRT41」チームに合流。ソーセ・オーナーとともにル・マンへの道を歩もうと動き出した。
SRT41のフレデリック・ソーセ オーナーは5年前に人食いバクテリアに見舞われてしまう。四肢切断という障がいを負ったものの、その後懸命な努力により、2016年にル・マン24時間へ参戦を果たしている。
SRT41は、そんな不屈の男フレデリックがオーナーとなって集められたチームで、2018年VdeV(ベドゥベ)耐久選手権に参戦し、2019年にELMS(ヨーロピアンル・マン)という欧州のシリーズへ参戦、そして2020年の6月にル・マン24時間レースに出場をするという計画を描いている。
そして今回、青木選手はSRT41へドライバーとして合流し、ベドゥベ耐久フランス選手権LMP(ル・マン・プロトタイプ)3クラスに参戦。見事プレスティージクラス3位表彰台を獲得したのだ。
今回、青木選手が参戦したベドゥベ耐久選手権は、フランスを中心に開催されているFIA公認耐久レース・シリーズ。参戦するLMP3クラスは、レース専用に設計されたプロトタイプのレーシングカーに、日産の5リッターV8エンジンを搭載するワンメイククラスで争うこととなる。ちなみに、このLMP3クラスというのは地域選手権のみ用意されているクラスであり、この車両でル・マン本戦には出場できない。
ドライバーは、Aドライバーに青木拓磨選手、Bドライバーはベルギー人のナイジェル・ベイリー選手、Cドライバーにフランス人のスヌーシー・ベン・ムーサ選手の3名が登録されているが、全員が身障者であるという。
5月25〜27日に開催となったベドゥベ耐久選手権第3戦ポールリカールは、5.861kmのコースで4時間の耐久レースを行うというもの。チームのマシン、リジェ・LMP3はこの週末がシェイクダウンでもあったため、データもない中での走行となり他チームとの差は大きい。青木選手にとっては、レプソルホンダNSR500Vで走って以来、21年ぶりのコースであったものの、事前に行われた4時間の練習走行セッションでは3人のドライバーの中でトップタイムをマーク。青木選手が予選アタッカーを務め、2分08秒478のタイムで総合28番手、LMP3クラス20番手からのスタートとなった。
そして5月27日決勝日。青木選手がスタートドライバーとしてステアリングを握り、レースは午後1時にスタート。青木選手は順位を4つ上げて車両をピットに戻し、2番手のナイジェル選手、3番手のスヌーシー選手と、両選手ともに好走を見せて無事にチェッカー。初参戦ながら表彰台を獲得した。
青木選手は「シェイクダウンでベドゥベ選手権初参加ということもあり、まだまだ手探りの状態のレースだった。まずはチームオーナーのフレデリックに感謝したい。まるで夢のような成績だった。まだまだ自分が足りない部分やチームが改良していくものがある。これからもチームのためにも、ル・マン24時間に向けて一緒になって進んで行きたい」とコメントしている。
ベドゥベ耐久選手権は、この後、第4戦ディジョン・プレノワ4時間(6月29日〜7月1日/フランス)、第5戦ナバラ6時間(8月31日〜9月2日/スペイン)、第6戦ブガッティ-ルマン4時間(10月5-7日/フランス)、第7戦エストリル6時間(11月2日〜4日/ポルトガル)のスケジュールで行われる。