バルサ相手に圧巻の3発を決めて歓喜するボアテング。スターダムを駆け上がる22歳だ。(C)Getty Images

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 日産スタジアムで5月30日に行なわれたキリンチャレンジカップ2018で、ガーナ代表は日本を2-0で破り、降り続いた雨と同様、壮行ムードに水を差した。
 
 開始8分にキャプテンのMFトーマス・パーテイがFKを直接決めて先制すると、後半開始間もない51分にはMFエマニュエル・ボアテングがPKで追加点。GKリチャード・オフォリの好守もあって、日本に得点を許さず逃げ切った。
 
 この試合のガーナ先発イレブンの平均年齢は23.3歳。日本の29.5歳に比べて大幅に若い。ジェームズ・アッピアー監督は、日本に押し込まれた要因に「若い選手は自信がないので、簡単にボールを失なってしまう」ことを挙げた。

 
 そのガーナにあって、経験豊富な選手を揃える日本を倒すヒーローのひとりとなったのが、代表デビューを果たしたボアテングだ。1996年5月23日生まれで、1週間前に22歳となったばかり。先制点のきっかけとなったFKは、彼がDF槙野智章から反則を受けて得たもの。追加点はディフェンスラインの背後を狙ってゴールへ迫り、飛び出したGK川島永嗣がたまらず反則でストップ。獲得したPKを川島の逆を突いて決め、デビューに花を添えた。後半開始から投入されたMF香川真司が2度の決定機を迎えるなど、日本が勢いをつかみそうな時間帯だったこともあり、効果的な一撃だった。
 
 ポルトガルのモレイレンセからレバンテ(スペイン)に加入した2017-18シーズン、20チーム中15位のクラブで25試合に出場し、6得点を挙げた。交代出場が多かったが、5月13日のリーガ・エスパニョーラ37節ではセンセーショナルな活躍を見せる。すでにリーガ優勝を決めていたとはいえ、バルセロナを相手にキャリア初といわれるハットトリックの快挙を演じて5-4の勝利に貢献。開幕から無敗で突っ走った王者に初黒星をつけたのだ。
 
 それだけではない。2-2で引き分けた2月3日のレアル・マドリー戦でも1得点。さらに、3月17日のエイバル戦では60分にピッチに立つと、その4分後に決勝点をマークして2-1の白星をもたらした。
 今回の日本戦では、エースストライカーのアサモア・ギャンが負傷のため不参加。ガーナが出場した3度のワールドカップすべてに出場しているギャンも32歳となり、彼に続く存在の台頭が待望されている。しかし、ボアテングはサッカー専門サイト『Ghanasoccernet』上で「誰が彼の後継者になるかということではない。彼は依然として元気にプレーしているし、みんなが本当に尊敬している。まだまだ学ぶことも多い」と謙虚なコメント。アッピアー監督も「1試合で評価することはしない」と、今後の成長を見守る構えだ。
 
 表彰式で勝者に授与されるキリンチャレンジカップを掲げて大はしゃぎだった新生ガーナ。ボアテングをはじめ、やはり日本戦でブラックスターズ(ガーナ代表の愛称)にデビューしたMFアイザック・サッキー(24歳)、FWナナオポク・アンポマー(22歳)、DFクワイ・オキエレ(23歳)といった選手たちにとって、9月のアフリカ・ネーションズカップ予選再開に向けた最後のアピールの機会は6月7日。やはりワールドカップ出場国のスパーリングパートナーを務める、アウェーでのアイスランド戦となる。