ジャージを脱いでピッチに姿を現した瞬間、スタジアムを大きな声援が覆う。この背番号10に対する大きな期待が窺えた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2018]日本0-2ガーナ/5月30日/日産スタジアム
 
 ロシア・ワールドカップ本大会へ不安が高まる敗戦を喫したガーナ戦で、数少ない収穫のひとつと言えるのが、復調の兆しを感じさせた香川真司のプレーだ。
 
 ハリルホジッチ前政権では不遇の時期を過ごし、今年2月には左足首を負傷していた香川が代表のピッチに立つのは、2017年10月のハイチ戦以来約7か月ぶりだ。後半頭から途中出場した背番号10には、ひと際大きな歓声が浴びせられた。
 
 西野朗新監督から「ボランチの両脇だったり、バイタルエリアだったり、そういうところでボールを受けるように。自由に動いていい」と指示を受けた香川は、随所に高い能力を見せつける。特に48分、49分には立て続けにシュートを放ち、ゴールの匂いを漂わせていた。
 
 試合後には、起用されたシャドーのポジションに「すごく僕自身は手応えを感じている」と自信を示し、「(後半の)入りは悪くなかった。チームとして両ワイドを高く取りながら、3センターも前に圧力をかけて、2次攻撃、3次攻撃ができていた。やはりその時間帯で、僕自身チャンスがあった中で、決め切らないといけなかった。そこは、課題半面、逆に見出せるものがたくさんあった」と、好感触を口にしている。
 
 それだけに悔やまれるのは、やはり前述した立て続けの決定機をモノにできなかったことだ。とりわけ49分のシュートは、バイタルエリアに飛び出す得意な形だっただけに、後悔も大きかった。
 
 そのシーンについて質問を受けると「あそこですね」と苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、「角度がなかなか、入り込んでしまっていたので、スピードが出なかったです。枠に飛ばすのが精いっぱいのところがありました」と振り返った。
 
 落胆の表情を見せた香川だったが、やはりその実力には疑いの余地はなく、ガーナ戦では今後の本格的な復活の予感も漂わせた。本大会でまた訪れるであろう“あの場面”のようなチャンスを、今度はゴールに結びつけてくれるはずだ。
 
「コンディション自体は別に悪くない。ただやっぱりそれを証明しなきゃいけない。ただコンディションが良くても結果が出なければ勝てないですから。“内容は良い”というのは求めていないですし、やはり勝ちにいかなきゃいけない。それを強く意識しながら、より勝つ確率を上げていけるかということ。もっと僕たちはやっていかなきゃいけないし、ただ今日得たものは、非常にポジティブなものもたくさんあった。もちろん負けたことに対しては悔しいですけど、切り替える必要があるんじゃないかと思います」
 
 落選の危機に瀕していた日本代表の10番。手応えありの壮行試合を経て、ロシア行きの切符を掴めるか。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)