激辛唐辛子を甘く見るな!食べたら「稲妻のような頭痛」の症例も

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 激辛唐辛子を甘く見ると、相当辛い目にあうようだ。米バセット医療センターの報告。

 一部の人に熱烈に愛されている激辛唐辛子。毎年、世界のどこかで激辛唐辛子にかぶりつく「ホットソース・コンテスト(激辛コンテスト)」が行われている。

 報告によると、ニューヨーク州在住の34歳の男性が地元の激辛コンテストに参加し、「世界一辛い唐辛子」とギネス世界記録が認定した「キャロライナ・リーパー」を食べた。ところが直後にひどい空嘔吐(からえず)きに襲われ、それから数日間、激しい首の痛みと「まるで雷鳴のように」突然生じる激越な頭痛に悩まされたのだ。

 数日がまんした後に、救急科を受診したものの、神経系の検査の結果は全て陰性。通常の頭部CT検査でも何ら異常がでなかった。

 ところがCT血管造影検査を行ったところ、脳動脈の一部に血管れん縮が認められたのである。どうやら激辛成分のカプサイシンが刺激になり、脳血管が一過性に狭くなったことで稲妻のような頭痛を引き起こしていたのだ。

 雷鳴頭痛──超急性に起こる頭痛をこう呼ぶが、くも膜下出血の徴候であるケースが多い。幸い、この男性の症状は自然に消失し、5週間後の検査で脳動脈は正常に戻っていることが確認された。

 雷鳴頭痛の原因物質としては、一部の抗うつ薬や片頭痛薬、精神刺激薬など処方薬のほか、覚醒剤やマリフアナなど違法ドラッグが知られているが、唐辛子が引き金になったケースは珍しい。

 ただし研究者は「以前からカイエンペッパー(チリペッパーの別名)が心臓の冠動脈のれん縮を引き起こし、心筋梗塞と関連することが報告されていた」と解説している。

 キャロライナ・リーパーのスコヴィル値(SHU:唐辛子の辛さを表す単位)は、平均156万SHU。最も辛い単体の記録は220万SHUだ。普通のペッパーソースが5000SHU、鷹の爪が4万〜5万SHUというから、ちょっと辛さの想像がつかない。

 これからは辛いモノが食べたくなる季節だ。とはいえ「常識的な辛さ」が無難らしい。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)