ナバウカ監督の秘蔵っ子とされるミリク(7番)は、本番には間に合わせると自信満々だ。(C)Getty Images

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 ロシア・ワールドカップに向け、日本代表のライバルたちが着々と準備を進めている。3戦目で対戦するポーランドは、3大会ぶりの出場とあって士気も高い。
 
「何せポーランドにとっては12年ぶりだからね。開幕が待ちきれない!」
 
 気合十分なのは24歳のFWアルカディウシュ・ミリクだ。
 
東欧ポーランドのポータルサイト『Przeglad Sportwy』のインタビュー記事をイタリアのサッカー情報サイト『ITASportPress』が引用する形で紹介した。ポーランドの絶対エースといえば今季もブンデスリーガ得点王に輝いたFWロベルト・レバンドフスキだが、ミリクこそ現代表を率いるアダム・ナバウカ監督の秘蔵っ子とされ、彼への期待も高い。
 
「監督から大事に使われているのは分かっている。『お前は監督にとって息子のようなものだからな』と周りから茶化されることもあるけれどそれは違う。俺の諦めない性格や練習で手を抜かないところを監督は評価してくれているんだと思う。練習ではいつも100%だ」
 
 ナバウカ監督には10代だった頃、母国クラブのグールニク・ザブジェ時代に薫陶を受けた。18歳でフル代表デビューを飾ると、以来代表通算38試合・12ゴール。EURO2016にも出場し、本大会予選でもホームでのカザキスタン戦でゴールを奪った。
 
 昨年秋に負った右膝前十字靭帯断裂の影響もあり、フィジカル・コンデイションはまだ万全とはいえないが本人は本番には間に合わせると自信満々だ。
 
「先発から90分間フル出場できる状態にはまだかかる。ただし、大会まで3週間あるからそれまでにはきちんと仕上げたい」
 
 所属クラブであるナポリはユべントスとの熾烈なスクデットレースの末に破れたものの「その悔しさはロシアの地で晴らす」とも意気込む。ポーランドにはセリエAでハイレベルな優勝争いを繰り広げたGKヴォイチェフ・シュチェスニー(ユベントス)やMFピオトル・ジエリンスキ(ナポリ)らも名を連ねており、ともに質の高いサッカーを展開してきた。
 
 彼らがプレーするイタリアでもハリルホジッチ前代表監督解任のニュースは驚きをもって受け止められた。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』といった同国有力紙の記者たちもロシア大会を取材前に、「日本の動きは不可解だ」と困惑を隠さない。
 
 イタリアのサッカー情報サイト『Calciomagazine』では、「日本の障害となるのはポーランドとコロンビアという2大難敵。両国ともハイレベルの選手を揃え、サムライDFたちを困難に陥れるにちがいない」と分析している。
 
 だが、ミリクがグループHの対戦国で最も警戒しているのはセネガルのようだ。理由はもちろん、ナポリのチームメイトであり、今やセリエA最強クラスのセンターバックへと成長した同国代表DFカリドゥ・クリバリの存在にある。
 
「クリバリとは(セリエA最終節後に)『俺たち、ひと月も経たないうちにロシアでまた会うことになるな』と言い合ったよ。彼はとても素晴らしいDFだが、相手に回せば恐ろしく危険だ。そしてセネガルの怖いところは、彼以外にも上手くて高さと速さを併せ持った選手がゴロゴロいることだ」
 
 気になるのは、同じグループの対戦国として日本代表について触れられていない点だ。これは日本への警戒心の薄さの現れなのだろうか。
 
「本大会ではいけるところまで上にいきたい」

 ミリクとポーランドは本気だ。少なくともグループリーグ3試合限りで大会から去ることなど微塵も考えていないだろう。

取材・文●弓削高志(スポーツライター)