代表練習でテスト中の3-4-2-1で得する、割を食う選手は誰なのか? 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のメインシステムは4-3-3だったが、西野朗監督が5月26〜27日の公開練習で主に試していたのは3-4-2-1システムだった。この変更が良くも悪くも選手に与える影響は少なくなさそうだ。

 では、恩恵を受けた、つまり自分の持ち味をより発揮しやすいポジションで起用されるようになったのは誰か。

 真っ先に思い浮かぶのが、本田圭佑である。前政権下で右ウイングが主戦場だった彼は当時のハリルホジッチ監督から主に「縦への動き」を要求されていた。これに対し、3月の代表活動中には「(スプリントを)20本、30本やったら他のプレーがボロボロになってしまう可能性がある」と吐露している。

 確かに本田のセールスポイントのひとつはキープ力で、それを活かすならトップ下もしくはシャドーがベストポジションになりそうだ。実際、西野監督も3-4-2-1のシャドーでテストしており、ガーナ戦で先発する可能性も高い。

 同じく宇佐美貴史もウイングよりシャドーでのほうが力を発揮しそう。まだ親善試合もこなしていないので確固たる根拠があるわけではないが、今回の代表合宿のシュート練習(10人一組で3-4-2-1システムを用いてのトレーニング)ではシャドーの位置に入って鋭いシュートを決めていたし、期待はできるかもしれない。

 一見ウイングタイプのような浅野拓磨もシャドーのほうが自慢のスピードを生かせそうだ。サイドに張るとプレーエリアが限定される一方で、中央寄りのシャドーはどの方角にも飛び出せる点で浅野にマッチしているような印象もある。
 

 ハリルジャパンでは不動のボランチだった長谷部誠はしかし、フランクフルトでは3バックの真ん中でリベロ的な役割をこなしている。西野ジャパンで3-4-2-1のリベロに抜擢されても大きな戸惑いははず。むしろ、クラブのメインポジションをそのまま代表で任されたほうがやりやすいのではないかと、単純な考え方ではそういう結論に行き着く。

 一方で吉田麻也はどうか。今季のサウサンプトンでは3バックの真ん中を担っており、ディフェンスリーダーとして君臨していた。ところが、現代表では3バックの右に固定される可能性もある。

 もしそうなると、同じCBでも長谷部が“指示する側”、吉田は“指示される側”におそらくなる。サウサンプトンでは指示する側の吉田が指示される側に回ることでプレーにズレはでないのか。気になるところである。
 
 3-4-2-1システムになって“一番勿体ないポジション”が右ウイングバックだ。現時点でレギュラーを争うと見られているのが、原口元気と酒井宏樹。ともにハリルホジッチ政権下ではスタメンを張っていた選手で、そのふたりが定位置を争う構図がつまり“勿体ない”のである。

 27日の公開練習では原口がシャドー、酒井宏が右ウイングバックという布陣もあったが、果たしてどうなるか。
 
 今大会は主力としてプレーしたいと熱望する酒井宏。マルセイユでこれだけ活躍しながらワールドカップではサブという事態だけは避けたい。

 いずれにしても、30日に行なわれるガーナとの親善試合で各選手の立ち位置が見えてくるだろう

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)