地震で壊れた菌床シイタケの棚(26日、長野県栄村で、染谷臨太郎写す)

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 震度5強の地震が襲った長野県栄村で一夜明けた26日、農業用施設や家屋の被害が発生している。2011年3月の長野県北部地震から復興した農家が再び被害に遭い、落胆する声が聞かれた。

 気象庁によると、25日午後9時13分ごろ県北部を震源とするマグニチュード5・2の地震が発生し、同村で震度5強を観測した。

 同村で米や菌床シイタケを生産する関澤和美さん(52)のきのこ栽培施設は、約4000個の菌床を載せた棚が損壊する被害に遭った。突き上げるような激しい地震の衝撃で2階にある培養室の栽培棚の支柱が折れ、棚板が落ち菌床がつぶれた。壊れた棚で培養室のドアが開かず、外側からはしごを使って培養室に入ったという。関澤さんは「7年前に多くの人の支援を受けてなんとか立ち直ったのにつらい」と涙を流す。

 この他、水田の畦畔(けいはん)の亀裂や水漏れなどが発生。農業用水路も被害に遭い、応急処置で田植えに間に合わせている。家屋や公民館では、壁のひび割れやガラスが割れる被害が報告されている。