ガラタサライでキャリアの春を謳歌し、私生活でもイスタンブールを満喫。新たな安住の地を見つけた長友を待つ結末とは──。(C)REUTERS/AFLO

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 キャリア最高ともいっても過言ではない、充実のシーズンを終えた。
 
 インテルで不遇をかこち、出場機会を求めて冬のガラタサライ移籍を決断した長友佑都。加入直後から左SBの定位置を確保し、攻守両面で名門クラブの快進撃を支えた。15戦連続のフルタイム出場を果たし、チームは見事に3シーズンぶり21回目のリーグ制覇を達成。長友にとっても嬉しい、初のリーグタイトル奪取となった。
 
 優勝が確定した最終節の翌日、本拠地トゥルク・テレコム・スタジアムでは盛大な祝勝会が開催されたが、その前後だろう、長友はトルコの全国紙『Turkiye Gazetesi』のロングインタビューに応じた。
 
 クラブと長友が望むインテルからの完全移籍はいまだ成立に至っていない。インタビューはまず、誰もが気になるその話題から始まった。
 
「もちろん、僕が決断できることではありません。ここでの日々は本当にハッピーで、もし僕が決めていいと言うなら、100パーセントここに残りたい。楽しくてしょうがない。インテルとガラタサライの決断を待つしかないんですけどね」

 
 取材者が問う。ここまで新天地でのチャレンジが上手く行くと想像していたのか。
 
「そうなると信じてはいましたよ。ファティフ・テリム監督は僕のプレーに信頼を置いてくれると思っていたし、リーグ優勝することしか頭になかった。ただ加入してからあらためて実感したのは、ガラタサライはやはりビッグなクラブなんだということ。チームメイトたちもスタッフもみんないつもフレンドリーで、すごく助けてもらいました。それはサポーターやイスタンブールの人びとも同じ。とても親切で誰もが互いをリスペクトしている」
 
 首都イスタンブールでのプライベートを満喫している長友一家。いったいどんな日常を送っているのだろうか。
 
「トルコ料理は本当に素晴らしい! おいしい! 僕は魚と肉が好物で、クラブシェフにはいつも感謝しています。許されるなら日本に持って帰りたいものばかりですよ。普段は練習が終われば、すぐ家に帰りますね。なにせオーシャンビューの最高の景観で、信じられないレベルなんです。眺めているだけで心地よい気分になれる」
 
 ガラタサライ最大の宿敵は、同じイスタンブールに本拠地を置くベジタクシュだ。その直接対決はローカルダービーの枠を超え、国中が盛り上がるビッグイベントである。長友は4月29日の31節、首位攻防戦となったベジクタシュ戦の勝利(2-0)が、きわめて大きな意味を持ったと振り返る。
 
「あのベジクタシュ戦の勝利は本当に価値が高い。(1アシストを記録した)僕の名前を一気に広めてくれた試合であり、僕とチームに確固たる自信が芽生えたのもあの勝利から。素晴らしい瞬間でした」
 
 名将テリムとの邂逅と築き上げた信頼関係も、かけがえのない財産となったようだ。
 
「ここに来る前ももちろん名前は知っていましたけど、どんなひとで、どんな指導をする方かまでは知りませんでした。一緒に仕事をさせてもらうようになって、どれだけ心の広い人物かが分かりました。監督と選手であり、父と息子のようなでもある。そのふたつの関係性を深めるのが本当に上手いんです」

 
 ガラタサライのスタジアムや練習会場には数多くの日本人ジャーナリストが足を運んでいるという。同紙記者にはそれが稀有に映っているようで、長友に「なぜあんなにたくさんやって来るのか?」と尋ねる。そして日本が誇るダイナモはこともなげにこう答えるのだ。
 
「僕は日本では有名人ですから。だからたくさんの日本人(記者)が来てくれるんだろうと思います。インテルで7年間プレーしましたし、日本代表では100試合以上に出場していて、ワールドカップには二度出場していますからね。注目されることには慣れています」
 
 トルコを代表する全国紙のインタビュー記事で、ガラタサライのみならずトルコ中のサッカーファンの関心をも引き寄せただろう。なんとか完全移籍で“黄赤軍団”の一員となり、来シーズンはチャンピオンズ・リーグの舞台で大暴れしてほしいが……。
 
 長友はすでに家族とともに帰国。5月25日の金曜日から代表練習に合流する予定だ。