中国はエコカー政策を積極的に推進しているが、必ずしも環境に優しいとは限らないとの疑いが出ている。写真は中国の電気自動車。

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2018年5月21日、英紙フィナンシャル・タイムズによると、エコカーとされる電気自動車(EV)は必ずしも環境に優しいとは限らないことが環境汚染に関する研究から明らかになりつつあるという。

記事によると、中国政府は2025年までに自動車市場におけるエコカー比率を20%にする目標を掲げているが、専門家から疑問の声が出ている。EVは一般的な内燃機関(エンジン)と比べてより多くの環境汚染を引き起こす疑いがあるという。

その理由は、EVの環境性がまだ明確にはなっていないことに加え、中国はクリーンエネルギー分野の成長を促してはいるものの、現在も石炭火力発電が多くを占めており、充電にも多くのCO2が排出されるため。走行距離当たりのCO2排出量はガソリンエンジンを上回ることが多いという。

米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)のスコット・ケネディ氏は、「EV普及だけでは化石燃料の使用を完全になくすことはできない」とし、大気汚染についても「汚染を中国の別の場所へ移動させるだけでしかない」と話している。

記事は「生産過程でも多くのCO2が排出される。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)は内燃機関車と比べるとCO2排出量が50%多いことを清華大学の専門家が突き止めた」と紹介。その論文は5月刊行の専門誌に掲載されるという。

中国石油天然気集団(CNPC)も2017年11月、ガソリンエンジン車が走行中に排出するCO2はEVよりも多いものの、微粒子状物質PM2.5の排出はEVの方が2倍以上多いとする研究報告書を発表した。車両車重の重いEVはブレーキディスクやタイヤの負担が大きく、大気汚染源となる粉じんを発生させやすいという。(翻訳・編集/岡田)