出足好調である。朝ドラによくある、女主人公を囲んで、一族郎党友人知人がチヤホヤと気遣う過保護パターンのないところが、まずいい。それでも結構過保護だけど。財力、権力(?)を兼ね備えたNHKがスター級の俳優を脇役に揃えて、「どんなもんだい」と視聴率を誇示するのにはいささか鼻白むが、面白ければいいのだ。

今回も漫画家の秋風羽織(豊川悦司)や秘書の菱本(井川遥)、それより何より両母親の晴(松雪泰子)と和子(原田知世)、漫画家のアシスタントに売り出し中の志尊淳や清野菜名。全くもって贅沢な配役である。民放だったら、これらの脇役スターで1本作っちゃう。

物語として筆者が評価している所は、作者の北川悦吏子が体験したであろう地方人の東京コンプレックスが、それとは語らぬまでも、そこはかとなく的確に漂っているところである。1970年、80年頃はまだネット環境もなく、一瞬間で情報がスマホの中に取り込められる時代にはない東京と地方の格差が歴然と存在した。東京人からみると何でもないことを、地方出身者はいたく気にしていて、訛りでもファッションでも出自がバレないように背伸びする。おかしい。

主役の2人、楡野鈴愛(永野芽郁)と萩尾律(佐藤健)の距離感もわざとらしくなくていいが、律が受験の朝、助けた犬を、やがて東京の同居人になる朝井正人も同じく助けたとは、いくらなんでも偶然の作り過ぎ。若者に受けるためのマンガ話も少々計算高い。(放送2018年5月16日8時〜)

(黄蘭)