カンヌ国際映画祭で20日(=日本時間2018年5月)、是枝裕和監督(55)の「万引き家族」が、最高賞のパルムドールを獲得した。1997年の今村昌平監督の「うなぎ」以来で、21年ぶり。授賞式で是枝監督は「さすがに足が震えてます」と言っていた。

「審査委員長が女優だったことが良かった」?

「万引き家族」は、祖母の年金をあてに生活していて、足りない分を万引きで補う、という家族。虐待された女の子を家族の一員として迎えた。が、ある事件をきっかけに家族がバラバラになる――。どちらかといえば、地味な映画だが、家族の繋がりとは何かを問いかけている。

審査委員長の女優ケイト・ブランシェットさんは講評で、「圧倒された」と述べ、「監督の演出と俳優の演技が互いにかみ合っていた」とたたえた。映画ライターのよしひろまさみちさんは、「審査委員長が女優だったことが良かった。俳優の目で見ると、派手さはなくても、心をざわざわさせる是枝作品は、インスピレーションの塊になる」という。

カンヌ映画祭は、世界三大映画祭(ベネチア、ベルリン)の中で最も古く、パルムドールは最高賞。日本映画では、衣笠貞之助監督の「地獄門」(54年)、黒澤明監督「影武者」(80年)、今村昌平監督が「楢山節考」(83年)と「うなぎ」(97年)で2度と、「万引き家族」は5度目に成る。

是枝監督作品の参加は7度目で、うち5回コンペティション部門。「誰も知らない」(04年)では、最優秀男優賞(柳楽優弥)、「そして父になる」(13年)で審査員賞を受けていた。

是枝監督は、受賞の弁で、「この場に居られることが本当に幸せです。この映画祭からは常に、映画を作り続ける勇気をもらいます」と述べた。また「この受賞で、家族ドラマの作家という捉え方がますます強くなるかもしれないが、自分ではそうは思っていないので、いろいろなジャンルにチャレンジできればと思っている」とも。

司会の加藤浩次が「21年ぶり、本当におめでとうございます」と拍手した。「もともとドキュメンタリー撮っていたから、映像に力がある。今回の作品も、年金のドキュメンタリーをテレビで見ていて、思いついたんだという」

近藤春菜(お笑い芸人)「俳優の才能を引き出す力もある」

加藤「リアルに見える」

高橋真麻(フリーアナ)「そのリアリティーが世界で認められたのがすごい」

橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「家族は小さな宇宙、それを取り上げてこれだけ評価される。普遍性があって、胸に響いたんじゃないか」

加藤「会見で、これで僕の企画が通りやすくなる、と言っていた。まだ通りづらかったの、とびっくり。まだ55歳ですものね」

「万引き家族」は6月公開。