過食の状態は、もちろん肥満を招き、糖尿病や高脂血症を招いてしまう。肥満、高血糖、高コレステロールは、いずれも代表的な心臓病の危険因子。いくつも積み重なると、さらに心臓病の発症リスクがアップするという。そうしたことからも、睡眠不足は心臓にとって大敵なのだ。
 「夜になっても眠れない、十分な睡眠を確保できないという人は、まず睡眠を促してくれるきっかけを作るのもいいでしょう。個人によって変わってきますが、例えば、就寝前に自分が眠くなるようなアロマを利用したり、聞いていると眠くなる英会話のテープを流してもいい。そうした心身がリラックスできるようなきっかけを見つけて、就寝のタイミングに合わせそれを実践してみる。徐々に睡眠習慣が身につくはずです」(同)

 また、夜間に深い睡眠をしっかりとるためには、照明も重要になる。
 「眠りにつく3時間前には、テレビやパソコンのスイッチを切り、2時間前には薄暗い程度にまで照明を落とすことが理想とも言われています。脳の内分泌器である松果体から出るメラトニンは、“睡眠ホルモン”と呼ばれ、目から入る光の量が減ると増えてきます。それを促すためにも、光が入らない環境を整えることが大切なのです」(前出・専門医)

 また寝る前の食事も、睡眠を妨げる原因となる。
 「満腹だと副交感神経が優位になって眠くなるのではないか、と考える人がいますが、それは間違いです。寝ている間に消化器官が食べ物を消化しようと活動するために眠りが浅くなってしまい、脳を休めるのに必要な深い睡眠ができなくなってしまうのです」(健康ライター)

 健康の維持のため、ぜひ快眠を心がけよう。