野村克也氏

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20日放送、TBS「S☆1」では、元プロ野球監督の野村克也氏が、同日行われた中日ドラゴンズ対阪神タイガースの一戦を“ぼやき解説”。2勝目を挙げた松坂大輔に厳しいコメントを突きつけた。

先週の試合でふくらはぎの張りを訴え、緊急降板した松坂。野村氏は試合前、「病み上がりだからムリはさせない」「痛みが再発しないことだけを祈っています」と、松坂の状態を気遣った。

初回の松坂が阪神打線を3者凡退に抑えたことで、スタッフから「さすがじゃないですか」と声がかかると、野村氏は「さすが!?そんな感じしないけど」と驚きながら返す。

松坂が制球に苦しんだことで、野村氏は「投げたボールとの対話を感じない」とコメント。「ボンボンど真ん中めがけて投げている」「『ボールに聞いてくれ〜』って感じ」と、立て続けに苦言を呈した。

野村氏は「腕を痛めたピッチャーに共通した投げ方」として、松坂の首が動きすぎていると指摘。腕をかばっており、「腕が振れないぶんだけ首も振る」と、投球フォームに懸念を示している。

阪神打線を0点に抑えても、野村氏は「今の松坂は何が良いか聞かれたら答えられない」と一刀両断。一方で、「阪神に気迫というか、なんとかひっくり返そう、点を取ろうという雰囲気が全然ない。消化ゲームみたい。金本(知憲監督)怒らないのかね」と、怒りの矛先は阪神にも及んだ。

ただ、この日の松坂はバットでも魅せた。4回に日本球界で4363日ぶりとなるヒットを放つと、5回にはプロ20年目で初となるマルチヒットを達成。野村氏も「無欲の結果だね」「昔から良いピッチャーは良いバッティングしているよ」と、ようやく松坂に褒め言葉を贈った。

6回に失点を喫し、さらに再び制球への不安をうかがわせた松坂。だが、ピンチの場面で3番福留孝介を三振に打ち取ると、野村氏は「点差が4点もあるからね。『ホームランを打たれても』と、思い切って内角を要求できる」と解説している。

91球を投げて1失点でマウンドを降り、2勝目を手にした松坂。だが、野村氏は「完全復活のようにはまだオレには映らないんだけど」とコメント。「ちょっと足りない気がする。スピードといい、コントロールといいね」と、最後まで不満をのぞかせた。