3歳牝馬クラシック第2弾、GIオークス(東京・芝2400m)が5月20日に行なわれる。

 このレースは、数あるGIの中でも予想が難しいレースのひとつと言える。というのも、クラシック初戦のGI桜花賞(4月8日/阪神・芝1600m)から、800mも距離が延長されるからだ。

 2400m戦となれば、その適性に合う馬はガラッと変わる。しかも、3歳牝馬でこの時期に2400m戦を経験している馬はほとんどいない。おかげで、判断材料があまりにも乏しいため、その予想は難解を極めるわけだ。

 加えて、うら若き3歳牝馬の争いは、歓声のこだまするスタンド前からスタートする。当然、イレ込む馬が出てくる。さらに関西馬の場合、初めて関東への長距離輸送を経験するケースもあり、不確定要素も非常に多いレースなのである。

 となれば、ひと筋縄ではいかない、波乱含みのレースであることは間違いない。

 そこで、過去のレースを参考にして今年、波乱を起こしそうな馬を探し出してみたい。現時点における判断材料が少ないことを踏まえれば、過去の激走馬を例にして穴馬を見つけることが、オイシイ馬券をゲットする最善の策とも言えるのではないだろうか。

 過去10年の結果を振り返って、まず目につくのが「フローラS組の活躍」だ。オークスは基本的に桜花賞上位組が人気の中心となるが、別路線となるGIIフローラS(東京・芝2000m)からの参戦馬が、過去に何度も好走を繰り返している。

 ここ10年で、3着以内にフローラS経由の馬が入った年は6年もある。2010年、2013年、2016年には、上位3頭中2頭がフローラS組だった。

 しかも、前述のとおり桜花賞組が人気する分、そのほとんどが穴馬である。2010年に8番人気で3着となったアグネスワルツ、2011年に8番人気で2着に入ったピュアブリーゼ、2012年に9番人気で3着に突っ込んできたアイスフォーリスらがいい例だ。

 ならば、今年もこのフローラSからの参戦馬は外せない。なかでも、狙い目となるのは、1着サトノワルキューレと2着パイオニアバイオである。ただし、サトノワルキューレは上位人気が濃厚。ここでは、パイオニアバイオを推したい。


オークスとの相性がいいフローラSで2着と好走したパイオニアバイオ(中央)

 先述のアグネスワルツとアイスフォーリスに加えて、2013年に5番人気で2着となったエバーブロッサムもフローラSの2着馬。フローラS組の中でも、過去10年のオークスで最も活躍している実績を持つ馬を狙わない手はない。

 パイオニアバイオは初勝利までに8戦を要したが、3月の未勝利戦を快勝すると、続くフローラSで13番人気ながら2着と奮闘。着実に成長し、重賞レベルでも戦える力があることを示した。

 だが、さすがにメンバーレベルが一気に上がる今回、人気が上昇することは考えられない。伏兵の1頭に挙げられるのがいいところだろうが、父は2000〜2500mの中距離戦で結果を残してきたルーラーシップ、母はオークスで4着と健闘したアニメイトバイオ。血統的には距離適性は十分で、体重も増えて状態が上がっている今なら、GIの舞台で再度の激走があっても驚かない。

 ところで、桜花賞から条件が一気に変わって、不確定要素が多いレースでありながら、オークスは意外にも”大波乱”というのは少ない傾向にある。過去10年の結果を見ても、ふた桁人気馬が3着以内に入ったのは、2008年に2着となったエフティマイア(13番人気)だけだ。

 しかし、だからといって、人気馬が上位を独占しているわけではない。”中波乱”といった傾向が強く、特に馬券圏内に絡んでくる馬で多いのは、中心人気からひとつ下がった5〜6番人気の馬たちだ。

 ここ3年のレースを見ても、2015年の3着馬クルミナル(6番人気)、2016年の3着馬ビッシュ(5番人気)、2017年の2着馬モズカッチャン(6番人気)と、3年連続でこの人気帯の馬が上位に食い込んでいる。さらに遡(さかのぼ)れば、2008年、2010年、2013年にも、5番人気の馬が3着以内に入っているのだ。

 そういうことなら、今年も5〜6番人気に収まりそうな馬を狙うべきだろう。今年のメンバーでは、オールフォーラヴがそれに該当するのではないだろうか。

 同馬はデビュー勝ちしたあと、2戦目の500万下・アルメリア賞(3月4日/阪神・芝1800m)では直線で大きな不利を受けながら2着と好走。3戦目のオープン特別・忘れな草賞(4月8日/阪神・芝2000m)できっちり勝って、オークス出走を決めた。

 デビュー以来、一度も崩れたことがなく、2戦目も不利がなければ、負け知らずできた可能性もある。2011年の優勝馬エリンコート、2015年に戴冠を遂げたミッキークイーンに続いて、忘れな草賞の勝ち馬が再び金星を挙げてもおかしくない。

 5〜6番人気の馬という点では、もう1頭、候補馬がいる。カンタービレである。

 12月にデビューした同馬は、3戦目で初白星を挙げた。すると、いきなりGIIIフラワーC(3月17日/中山・芝1800m)に参戦し、連勝を飾ったのだ。好位から早めに先頭に立って、そのまま押し切る堂々としたレースぶりは圧巻だった。

 ただ、同レースで2着との着差がクビと僅差だったこと、今回はそれ以来のレースになることが懸念されて、伏兵の1頭という評価にすぎない。まさしく、過去の好走馬と同じ5〜6番人気が予想され、押さえておきたい1頭だ。

 カンタービレに食指が動くのには、もうひとつ理由がある。

 過去10年の結果を改めて見てみると、「連勝してオークスに臨んだ馬の好結果」が目立っている。

 いい例が、先にも触れた2011年に7番人気で勝利したエリンコートと、昨年6番人気で2着と好走したモズカッチャンだ。

 エリンコートは、500万下、忘れな草賞と連勝してオークスへ。モズカッチャンに至っては、未勝利、500万下、フローラSと3連勝を飾って大一番に臨んだ。

 この2頭は、下級条件からオープンクラスまで連勝しながらも、「相手関係に恵まれた」と見られたり、「やはり桜花賞組が上」と考えられたりして、人気が上がらなかった。しかし、連勝できる能力と勢いは、この舞台でも武器になった。

 つまり、重賞勝ちを含めて連勝して挑んでくるにもかかわらず、伏兵扱いのカンタービレも同様である。過去の例から、同馬を甘く見てはいけない。一発の可能性は大いにある。 3歳牝馬の頂上決戦。2400mの過酷な一戦を制するのは、どの馬か。未知なる舞台で、前評判とは異なる新たな”女王”が誕生しても不思議ではない。

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