今週末13日、東京競馬場では4歳以上の牝馬によるGIヴィクトリアマイル(芝1600m)が行なわれる。

 GI馬5頭を含む重賞勝ち馬12頭が登録しており、豪華メンバーとなりそうな今年のヴィクトリアマイル。今回は”東京・芝1600m”の適性をポイントに分析してみよう。


上位人気が予想されるリスグラシュー。悲願のGI制覇なるか

 今回出走する馬を父馬の産駒別で、東京芝1600mの成績を見てみると、ディープインパクト産駒は84勝とダントツの成績で、以下、キングカメハメハ産駒41勝、ダイワメジャー産駒35勝、ハーツクライ産駒30勝、ステイゴールド産駒25勝、マンハッタンカフェ産駒22勝、クロフネ産駒18勝と続いている。これは未勝利戦なども含めた全体の成績となるが、トップクラスの馬たちが出走する重賞に限るとその傾向は変わってきており、ディープインパクト産駒13勝、クロフネ産駒6勝、ハーツクライ産駒5勝、ダイワメジャー産駒4勝、キングカメハメハ産駒3勝、ステイゴールド産駒3勝、マンハッタンカフェ産駒2勝という数字になる。

 注目したいのが重賞における勝率と連対率。ディープインパクトが10.0%、22.3%なのに対し、クロフネは14.6%、26.8%、ハーツクライは20.0%、24.0%という高い数字を記録している。ディープインパクト産駒は1レースに多くの馬を出走させるので数字が低くなってしまうのは仕方ない面もあるが、クロフネやハーツクライのこの高い数字は注目すべきものだ。

 今年、クロフネ産駒はアエロリット(牝4歳/菊沢隆徳厩舎)が出走。今回と同コースで行なわれた昨年のGI NHKマイルCでは歴代3位となる1分32秒2の好タイムで勝利しており、今年はGII中山記念(2月25日/中山・芝1800m)でクビ差の2着を経ての参戦となる。前走はプラス18kgの504kgと過去最大の馬体重での出走で、上積みは大きそうだ。クロフネ産駒はホエールキャプチャが2012年に4番人気1着、2013年に12番人気2着、ブラボーデイジーが2009年に11番人気2着と、人気薄でも馬券に絡んでいる。

 ハーツクライ産駒はリスグラシュー(牝4歳/矢作芳人厩舎)、メイズオブオナー(牝4歳/藤原英昭厩舎)の2頭が登録。リスグラシューは東京芝1600m戦では2016年GIIIアルテミスS、2018年GIII東京新聞杯といずれも重賞で2戦2勝と抜群の成績を残している。他の競馬場も含めた芝1600m戦でも7戦2勝、2着3回、3着2回と崩れておらず、東京芝1600mは最も得意な条件と言ってもいいだろう。

 メイズオブオナーは重賞勝ちのない格下の存在だが、いとこにGIドバイターフ勝ち馬のリアルスティールがいて、3代母は米GI BCマイルを連覇した世界的名牝ミエスクという良血。管理する藤原英昭厩舎はGI皐月賞のエポカドーロ、NHKマイルC2着のギベオンなどの活躍もあり、今年はこれまで連対率50%を超える驚異的な成績で調教師リーディングのトップに立っている。軽視はできない存在だ。

 キングカメハメハ産駒はレッツゴードンキ(牝6歳/梅田智之厩舎)が出走予定。同産駒は東京・芝1600mの重賞は3勝も、勝率4.7%、連対率10.9%は決して高くない。ヴィクトリアマイルだけ見ると、2011年にアパパネが2番人気1着、レディアルバローザが3番人気3着、2015年にはケイアイエレガントが12番人気2着と、3度馬券に絡んでいる。ただ、レッツゴードンキ自身はこのレースで過去2年、8番人気10着、3番人気11着と大敗。最近は芝1200〜1400mを中心に走っていて、前走もGI高松宮記念(3月25日/中京・芝1200m)で2着だった。1200mのレースのスピードに慣れてしまうと、1600mでも好成績を残すというのは簡単なことではなく、気分よく走れないと厳しそうだ。

 実力ではこのメンバー最上位と見る人も多いであろうソウルスターリング(牝4歳/藤沢和雄厩舎)はどうだろう。芝1600mは4戦してGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神)、GIIIチューリップ賞(阪神)の2勝と悪くないように見えるが、圧倒的1番人気のGI桜花賞で3着と敗れ、前走のGII阪神牝馬S(4月7日/芝1600m)も10着と大敗を喫している。昨年のオークスを勝ち、1800mで2勝しているように、本質は中距離馬とも思われる。

 血統的データを見ても、父フランケルのそのまた父ガリレオ直系の東京・芝1600m戦の成績は6戦0勝3着1回というもの。この父系の適距離は1800〜2000mというデータが出ており、推しづらい存在と言える。 以上、5頭を取り上げてみたが、血統データ的に推したいのはクロフネ産駒とハーツクライ産駒。特にアエロリットとリスグラシューの2頭だ。リスグラシューはこれまで、阪神ジュベナイルフィリーズ2着、桜花賞2着、GI秋華賞2着と、GIでは惜敗が続いており、悲願を達成したいところだ。

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