ジェイ・Z(Jay-Z)、グロリア・カーター(Gloria Carter) photo : Getty Images

中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟(GLAAD)がLGBTコミュニティにおいて功績のあった人やメディアを称えるGLAADメディア賞。ジェイ・Zの母グロリア・カーターが受賞、スピーチで息子のサポートについて語った。

ゲイであることを隠し、4人の子どもの母親として生きてきたジェイ・Zの母グロリア・カーター。昨年ゲイであることをカミングアウトした。ジェイはこのことをテーマに楽曲「Smile」を制作、昨年アルバム『4:44』で発表。「ママは4人の子どもがいる/でも彼女はレズビアンだった/彼女は役者のように長い間、自分を偽らなくてはいけなかった」「クローゼットに隠れなくてはいけなくて/彼女は薬を飲まなくてはいけなかった/社会から恥だと思われることと痛みは、引き受けるには大きすぎた」と彼女の苦しみを歌っている。

グロリア・カーター(Gloria Carter) photo : Getty Images

LGBTの人たちに勇気を与えた功績を称えられGLAADメディア賞を受賞したグロリア。先週末開催された授賞式では、カミングアウトするときジェイが大きな支えになったことを語った。「本当の私について話すのは、ジェイが初めてだった。息子は泣いて『そんなに長い間そうやって隠して生きてきたのはとても恐ろしいことだったにちがいない』と言ってくれた。私は自分の家族を無知から守ることを選んだのだから、私の人生は恐ろしいものではなかった。私は幸せだった。でも自由ではなかった」。

ジェイには好きな女性がいることも明かしたというグロリア。スピーチでは「私は愛する人を愛する権利を持っている人間。だからみんな、ただ微笑んで、自由になって」とLGBTの人々にエールを送っている。LGBTの人たちへの差別や偏見はまだまだ根強いのが現実。家族を守るために隠し続けなくてはならなかった彼女の苦しみに思いを馳せ、それを打ち破った勇気に拍手を送りたい。

text: Yoko Nagasaka