新内閣、曽根教授の見方は
小泉純一郎首相は31日、内閣改造を行った。今回の組閣のポイントとして慶應義塾大学大学院の曽根泰教教授は、「小泉改革の継続」「レイムダック(政治的影響力を失った政治家)にならない」「ポスト小泉の布石」の3点を挙げる。
◆小泉改革の継続
「郵政に関しては、竹中さんに担当させるということです。総務大臣兼郵政担当ということで、郵政改革は最後まで見届けるということです。同時にたぶん(国と地方の税財政改革である)三位一体(改革)も総務省で担当すると思いますが、三位一体の方まで手を伸ばすというか、頭に入れた人事だと思います」
「財政が谷垣さんだったということは、税制改革は小泉内閣の間にははっきりと出さないということかもしれません。これはなんともいえないところの一つです。検討はするけれども、税制に関しては今までの路線を引き継ぐ可能性は高いですね」
「与謝野さんは政調会長から経済財政担当大臣兼金融担当ということで、党と内閣の一体化ということをある程度頭に入れた人事と思います。ですから、ここが実は幹事長が武部さん留任、久間さん総務会長留任ということと、もう一つその与謝野さんの位置が、小泉改革を推進する方の位置なのか、それとも自民党の党の中の意見を内閣にもう少し出すというところに重点があるのか、ここが一つのポイントです。ですから小泉さんの主張を与謝野さんがうまく党に伝えるというか、調整役的な役割が与謝野さんの役割です。それがうまくいけば、小泉改革というのは党に対して一つはなんとかにらみが利く。党の方に関していえば、政調会長が中川さんなのは、これは小泉さんを陰でずっと支えてきた人ですから、そういう意味でいうと党の方の体制は前よりはよくなっているんじゃないかと思います」
◆レイムダックにならない
「小泉さんの求心力が落ちるのかどうかということです。通常ですと、もう任期が来年の9月までだと求心力が落ちるはずですが、まだ小泉人気というか小泉さんに対する求心力は継続すると思います。という意味でいうと、来年の9月まで続いて、さらに小泉の後も小泉に頼むという延長論が依然まだ消えていなくて、消えていないということは小泉内閣の運営としては悪いことではないと思います。ですから、今の段階ではレイムダックではないといえます」
◆ポスト小泉の布石
「評論家たちは、それこそ麻生さんと谷垣さんと福田さんと安倍さんということで、読み取ろうとしていました。『麻垣康三』かな。麻生、谷垣、福田、安倍と。だけど、これはそうじゃなくて『麻垣平三』なんですよ。つまり、竹中さんが入っているわけです。竹中さんと安倍さんの関係、麻生さんと谷垣さんの関係というライバル関係でして、一般的にみる4人ではありません。そういう意味では布石は打ったと思います。だけど、これで政治が決まるわけではありません。次の人事というのは、やはり選挙をにらんだり、閣僚としての実力、党に対する影響力など、いろいろな要素があります。それを含めて誰なのかというのはまだ、競争が始まっただけだと思います」【了】
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◆レイムダックにならない
「小泉さんの求心力が落ちるのかどうかということです。通常ですと、もう任期が来年の9月までだと求心力が落ちるはずですが、まだ小泉人気というか小泉さんに対する求心力は継続すると思います。という意味でいうと、来年の9月まで続いて、さらに小泉の後も小泉に頼むという延長論が依然まだ消えていなくて、消えていないということは小泉内閣の運営としては悪いことではないと思います。ですから、今の段階ではレイムダックではないといえます」
◆ポスト小泉の布石
「評論家たちは、それこそ麻生さんと谷垣さんと福田さんと安倍さんということで、読み取ろうとしていました。『麻垣康三』かな。麻生、谷垣、福田、安倍と。だけど、これはそうじゃなくて『麻垣平三』なんですよ。つまり、竹中さんが入っているわけです。竹中さんと安倍さんの関係、麻生さんと谷垣さんの関係というライバル関係でして、一般的にみる4人ではありません。そういう意味では布石は打ったと思います。だけど、これで政治が決まるわけではありません。次の人事というのは、やはり選挙をにらんだり、閣僚としての実力、党に対する影響力など、いろいろな要素があります。それを含めて誰なのかというのはまだ、競争が始まっただけだと思います」【了】
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