恋愛には臆病だけど…。EXILE佐藤大樹、好きな人は「あの手この手で振り向かせたい」

あどけない少年のような微笑み、凛とした大人の眼差し…。EXILEの最年少メンバーとして、FANTASTICSのリーダーとして、ひとりの俳優として。ほんの数分の撮影時間だけでも、ぐんぐんと広がっている彼自身の“幅”が目に見えるようだった。映画『ママレード・ボーイ』では、初の恋愛映画への出演に「恥ずかしかった」と照れつつも、新たな一歩を踏み出せたと話す。今回演じた“好青年”役と比較しながら、佐藤自身の恋愛観も聞かせてもらった。

撮影/ヨシダヤスシ 取材・文/古俣千尋 制作/iD inc.

昔の自分に似ている…銀太役と知ったときは喜んだ

映画『ママレード・ボーイ』は、シリーズ累計1000万部を突破した、吉住 渉さんによる少女マンガの実写作品です。佐藤さんは、FANTASTICSのみなさんと一緒に試写をご覧になったそうですね。いかがでしたか?
そうなんです。恋愛映画に出演するのは初めてでしたし、何だか一緒に見るのが恥ずかしかったです(笑)。
メンバーのみなさんから、何かコメントはありましたか?
「あのシーンにキュンキュンした」とか、いろいろ感想を言ってくれて、すごく照れくさかったです(笑)。でも、普段踊っているときとは違う自分を見てもらえたのは新鮮でしたし、嬉しかったですね。
ストーリーは、主人公・小石川光希(桜井日奈子)と同い年の男の子・松浦 遊(吉沢 亮)の両親同士がパートナーチェンジして再婚することになり、6人で一緒に暮らしだす…というもの。トキメキ要素たっぷりで、恋愛マンガならではの“ちょっとありえない設定”も面白いですよね。
けっこう、ぶっ飛んでいますよね(笑)。やっぱりこの設定だけでも驚くし、だからこそ当時からいろんな人に愛されてきた作品なんだろうなと、マンガを読みながら感じました。
映画に出演するにあたって、原作を読まれたんですね。
マンガは全巻読みましたし、アニメも見てさらに作品のイメージが膨らみました。登場人物の行動理由がしっかりしているし、それぞれが話す言葉のひとつひとつも納得がいくんですよね。読む人によって「自分はこの人に感情移入できるな」って、いろんな見方や捉え方ができる作品だなと思いました。
佐藤さんが演じたのは、中学時代からの同級生である光希に恋心を抱く須王銀太です。佐藤さんから見て、銀太はどんな男の子だと思いますか?
銀太はまっすぐで、熱くて、性格がいい好青年。決めたことに対して信念を持って突き進める感じが、僕は好きですね。ちょっとだけ、ダンスを始めた頃の自分に似ていて、どこか応援したくなるような印象も…。だから、銀太役だと聞いたときに「よっしゃ!」って(笑)。
「よっしゃ!」と喜んだ?
銀太みたいな、素直でまっすぐ突き進んでいく役のほうが演じやすいので。僕のタイプ的に、遊のようにずっとクールでいられないし、絶対にニヤけちゃう(笑)。
銀太はまさに佐藤さんのイメージそのものと言いますか…佐藤さんが同じ高校にいたら、あんな爽やかな感じなんだろうなと。
ハハハハ! 嬉しかったのが、廣木(隆一)監督が最初に「役作りがいらないぐらい、銀太だな」って言ってくださったんです。もちろん、髪型とかは変えたんですけど、芯の部分は「大樹のままでいいよ」って言ってくれたので、やりやすかったです。
先ほどの「ダンスを始めた頃の自分に似ている」というのは?
僕も15歳のときにEXILEのライブを初めて見に行って、次の日に「ダンスをやりたい」って決めて、信念を曲げずにやってきたので、そういうところは似ているかもしれないです。
そのほかに、銀太と佐藤さんが似ていると思ったところはありましたか?
光希に対して「こうしよう」と決めたら、まっすぐ一生懸命になる姿とか…ですかね。自分で言うのも恥ずかしいですけど(笑)。
映画の中では、夜の公園で光希とふたりきりになるシーンが印象的でした。いつもの佐藤さんとは、ひと味違った表情を見せていましたね。
銀太が初めて敗北感を味わうシーンですね。じつはあのシーン、何回もやり直しをしたんですよ。監督から、理由は語られずに何度も「NG」と…。でも、悩みながらやった末に、「最後にあの顔が撮れてよかった」と監督が言ってくれて。打ち上げのときにカメラマンの方が「あの表情を撮れたことが一番印象的だった」と言ってくれたのも嬉しかったです。僕の中でも一番印象に残っています。

光希みたいな表裏のない女の子は「めちゃ好きなタイプ」

銀太はテニスの試合中、同級生たちの目の前で「この試合に勝ったら付き合ってくれ」と光希に言いますが、佐藤さん的に、あの告白のしかたは“アリ”でしょうか?
いや、自分だったら絶対に言えないですね!(笑) ただ、いつかやってみたいシーンだったので、こんなに早く叶うなんて…という感じでした。
「いつかやってみたかった」というのは…?
やっぱり、ドラマやマンガとかでよく見るシーンじゃないですか。もしかしたら初めに描いたのはこの作品だったのかもしれないですけど、たとえばバスケだったら「このフリースローが入ったら付き合ってくれ!」とか(笑)。
ああ、ありますね!
僕もサッカーをやっていたんですけど、そういうシーンは男から見てもカッコいいなと思っていたので。やれてよかったです。
役ではそういったセリフも言えるけれど、佐藤さんご自身だったら…?
絶対できないです。僕は女々しいし、臆病なので。相手や周りに引かれるだろうなとか、失敗したときのことを考えちゃいますね(笑)。
銀太は、遊のことが気になる光希を遠くから見守りつつ、「何かあったらオレに言えよ」と声をかけます。好きな女の子のことを見守る姿は、同じ男性としてどうでしょうか?
男からしてもカッコいいですよね。あと、このセリフだったら素の自分でも言えるかもって思いました。
言ってみたいですか?
言いたいです(笑)。
とはいえ「自分に振り向いてもらいたい」という気持ちもありませんか? 佐藤さんなら、好きな子に振り向いてほしいとき、どんなアプローチをします?
どうするかなあ? とりあえず、あの手この手を使って…。
あの手この手を?
そうですね…。たとえば遊の悪いところを吹き込むとか。「アイツ、じつは脱いだものを畳まないらしいよ」とか(笑)。
吹き込む作戦ですね! しかも悪口の内容がかわいらしいです…。
そういう小さいジャブを打ちながらアタックしますね。光希の親友である(秋月)茗子(優希美青)を通じて伝わるようにするのもいいかも、とか考えたり(笑)。そうやってあの手この手を使って、振り向かせようと頑張ると思います。本当にその子が好きだったら、僕は銀太みたいにあきらめきれないかもしれないですね。
そのアプローチ法は、先ほどの「女々しくて、臆病」という恋愛観にもつながりますね(笑)。光希は、思っていることが口や態度に出やすいという、少し子どもっぽいところもあるけれど、素直でまっすぐな性格です。光希みたいな女の子についてはどう思いますか?
すごく好きです。明るい性格ですし、発する言葉に裏がない。そのときの素直な思いを聞けるっていうのは素敵だなと。実際に光希みたいな子がいたら、めちゃめちゃ好きになったと思いますね。
では佐藤さんの、けっこう好きなタイプなんですね?
はい、めちゃ好きなタイプです!
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