春のGIシリーズは、今週は中休み。来週のGI天皇賞・春(4月29日/京都・芝3200m)からは6週連続での開催となる。

 その6連戦の最後に行なわれるのが、GI安田記念(6月3日/東京・芝1600m)。今週はそこに向けて、重要なステップレースとなるGIIマイラーズC(4月22日/京都・芝1600m)が行なわれる。

 過去20年の1番人気の成績は、5勝、2着4回、3着2回、着外9回。決して悪くない成績だが、2009年のスーパーホーネットを最後に、1番人気は勝利から遠ざかっている。

 そうした状況のなか、2011年は7番人気のシルポート、2013年には5番人気のグランプリボス、そして2015年には8番人気のレッドアリオンと、伏兵馬が金星を挙げている。そのうち、2011年は2着にも14番人気のクレバートウショウが突っ込んできて、3連単は120万超えの高額配当となった。

 イメージよりも波乱の傾向にあるレースと言え、できることなら、ここでGI6連戦の資金をしっかり確保しておきたいところだ。

 さて、このマイラーズC、2012年より舞台が阪神から京都に移った。これによって、レースの質に若干の変化が見られるという。日刊スポーツの太田尚樹記者が語る。

「京都に舞台を移してからは、開幕週に開催されるようになって、一段と時計が速くなったイメージがあります。ここ5年間はすべて1分32秒台以下(2014年は1分31秒台)の決着。良馬場であれば、高速馬場に対応できないと、勝ち負けは難しいでしょう」

 こうしたレースに対応できる馬として、太田記者はロジクライ(牡5歳)の名前を挙げた。



2年前にはシンザン記念を制しているロジクライ

「故障によって、2年近く休んでいた同馬。昨年12月に復帰し、休み明け3戦目には本領を発揮して現在は2連勝中です。前走の六甲S(3月25日/阪神・芝1600m)は1分32秒台で制し、今年の阪神マイルの最速タイムをマークしました。

 逃げても、好位でも競馬ができるので、開幕週の馬場にぴったりの適性を持っています。京都のマイル戦も3戦3連対。3歳時には同舞台で行なわれたGIIIシンザン記念を勝っています。同レースの2着は、のちにGI桜花賞馬となったジュエラー。素質の高さは確かです。今回の有力メンバー、エアスピネル(牡5歳)、サングレーザー(牡4歳)らと比べても、見劣りません」

 一方で、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、今年も”高速決着”という前提には、やや懐疑的な目を向けている。

「今年は、例年とは違う印象を受けます。というのも、昨年の第4回京都開催(2017年10月7日〜10月29日)が雨にたたられて、極悪馬場でのレースが多かったからです。現に、その影響は年明けの京都開催にも出ていて、荒れた馬場のためにラチ沿いを使わないレースが増えていました。全体的な時計も遅かったように思います。

 加えて、今年の第2回京都開催(1月27日〜2月18日)もわりと雨が多くて、馬場へのダメージは一層加速しています。馬場造園課によれば、『馬場は相当痛んでいますし、(今開催後の)張り替え作業までは劇的によくなることはないと思います。何とか5月開催まで保(も)てばいいのですが……』とのこと。今年は根っこの密集度が少ないため、反発力が弱まり、その分、少し時計がかかる可能性はありそうですよ」

 そう言って高速決着には疑問を呈す吉田記者だが、太田記者が推奨するロジクライについては、有力候補の1頭として同意する。

「(ロジクライは)例年なら持ち時計がコンマ5秒ほど足りないのですが、今の充実ぶりと、今年の京都なら3連勝の可能性も高そう」

 そして、穴馬には関東から参戦する重賞3勝馬を推す。

「昨年も3着に入ったヤングマンパワー(牡6歳)です。同馬は、スニッツェル産駒の大型馬で、頭の高い走法が特徴。ゆえに、速い時計や切れ味勝負には、とても向かないタイプと思えるのですが、新潟や京都といった直線平坦なコースの競馬場では速い持ち時計があるんですよ。

 また、得意とは思えない上がりの速い競馬についても、ポジショニングのよさと、しぶとさでカバーできています。GIでは荷が重い印象を受ける戦績ですが、それ以外の重賞では大崩れしていないのも魅力です。

 桜花賞に出走したマウレアの帯同馬として、現在は栗東で調整されており、CWコースで好時計を連発。仕上がりは良好です。暖かくなって、馬体の太め感がなくなっており、休み明けでも、昨年同様の好走を見せてもおかしくありません」「絶対王者」不在で、混戦のマイル戦線。今後の台頭を匂わせる存在がここから出てくるのか、注目である。

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