鈴愛と律の関係は「恋愛するタイミングを逃したふたり」

そうした周囲の人間の中でも、先ほど佐藤さん自身もおっしゃったように、やはり鈴愛との関係性が非常に重要になってくるかと思います。とはいえこのふたり、幼なじみで互いの理解者でありつつも、恋愛とはまた違う関係性なんですよね?
伝えたいことはたくさんあるんですけど、言葉にするのがなかなか難しくて…(苦笑)。まず、目指している形みたいなところは「恋愛するタイミングを逃してしまったふたり」なんですよね。互いに好きなんだけど、あまりにも小さいときから一緒にいたことで、その気持ちに気づけなかった。
近すぎて大事な気持ちが見えなかった、と?
それが大人になって、一度離れたり、失ったことで気づいたりするところが互いにあるんですね。そういう意味で、演じている感覚でいうと「すごく仲のいい友達」と「好きな人」の中間くらいかな?
これもまた絶妙なバランス、距離感が求められそうですね。
例えば、演じるうえで、できるだけ(鈴愛と)肌の接触がないようにとか、距離感は考えていて。それは律自身も気をつけている部分なんですよね。よく考えると、そこを気にしてるってことは、やはり“女”として鈴愛を意識しているんだろうな…とか感じながらやっています。
無意識すぎて、自分の気持ちに気づいていない。想像するだけでキュンキュンしますね。
若さゆえに、はっきり気づけなかったり、気持ちにフタをしているところがあったりしているのかなと思うんですよね。
佐藤さん自身は、幼なじみの関係に対して、憧れはありますか?
ありますね。実際、幼なじみがいないので、僕にとっては漫画やテレビの中だけにあるものなんです。そういう意味で憧れはあります。だからこそ、幼なじみに恋をしている人は、その気持ちを大事にしてほしいです!
これまでの会見などでもたびたび、「絶対に面白い」とこの作品への自信を口にされていますが、どういった部分に手応え、魅力を感じていますか?
脚本を読んでいて、とにかく面白いんですよね。僕自身、次の話を楽しみにしながら読み進めている状態です。現場に入って鈴愛を見ていると、絶対にみんな鈴愛を好きになるだろうって思うんです。
やはり北川さんの描き出すキャラクターの魅力が大きい?
異性としてだけでなく、「応援したい!」という気持ちも含めて、鈴愛を好きになったら、あとは彼女が何をしていてもそれを見ているだけで面白いって思える作品になるだろうと。きっとそのまま最終話まで見ていただけると思います。
律は鈴愛を優しく見守り、応援する立場ですから、ある意味で視聴者は、律と同じ目線で鈴愛を見ることになるんでしょうか?
まさに、そういうような話を北川さんとしたんです。「鈴愛が好きです。鈴愛を見ているだけで、ずっとこの作品を見ていられます」と。そうしたら北川さんは「私は律くんが好きだけどね」って言っていました(笑)。だから、視点は人それぞれですよね。本当にどのキャラクターも魅力的なので。
ちなみに、北川さんのその言葉に、佐藤さんは何と反応したんですか?
「マジっすか? なるほどねぇ…」と(笑)。そういう意味で、(楡野)晴さん(※鈴愛の母親/松雪泰子)もだし、家族みんなが魅力的なんですよね。登場人物たちを見ているだけで幸せになれるし、彼らの人生をずっと見ていたいと思えるんじゃないかと。

永野芽郁の“自然体”な姿に、器の大きさを感じた

改めていま、このタイミングでこの役を演じるということについて、ご自身の役割をどのように考えていますか?
やっぱり、永野さんを支えるということですね。役柄上もそういう関係ですし。朝ドラのヒロインって本当に大変だと思うし、実際に難しい芝居を要求される役であり、膨大な量を一日で撮らないといけなかったりする。その支えになりたいし、少なくとも自分と一緒のシーンでは、絶対に芽郁ちゃんの芝居を「いい」と思ってもらえるようにしたいです。
ふたりの距離感についてなど、永野さんと接するうえで心がけていることは?
それがあまりなくて、わりと自然体なんですよね。日頃から「大丈夫?」とケアしようという感じではなく。ただ、芝居のうえで「このほうがいいかな?」と思ったり、芽郁ちゃんが悩んだり、やりづらさを感じているようなときは、何か言うようにしています。
役柄上、同い年という点に関しての意識は…?
まったく気を遣ってないですね。
その必要性がない?
とも言えますし、そもそも、僕は「役がこうだから」という感じで、プライベートでの接し方を変えたり、意識することがないんですよね。無理をしてもいい方向に作用することってなくて、いま、自然に接していい関係を築けているので、それでいいかなと。
これまで、さまざまな作品で多くの女優さんと共演してきた佐藤さんから見て、永野さんの魅力やスゴさはどんなところだと感じていますか?
力の抜け具合ですね。
抜け具合…?
自然体で自由なんです。本番中に余計なことを考えちゃったりする……力んでしまったりすると、芝居が崩壊して、生きた人間に見えなくなっちゃうんです。でも、彼女はどんな芝居でもどんな状況でも、圧倒的に力が抜けていて自然体なんです。だからこそ“生きたキャラクター”なんですよね。そこに器の大きさ、度胸を感じますね。
初共演は、2012年の佐藤さんの主演映画なんですよね。当時、永野さんはまだ小学生でした。
当時は、一緒にお芝居をしたというよりは、単純に「かわいい子どもがいるなぁ」って印象で(笑)。
その少女が朝ドラのヒロインに登りつめ、しかも佐藤さんと幼なじみを演じることに…!
改めてこんな実力を持った女優さんなんだなと。

豊川悦司が演じる役は、自分が演じるならお手上げ

鈴愛や律が生まれてから、高校を卒業するまでの【岐阜・故郷編】に続く、上京後の【東京・胸騒ぎ編】も撮影が進んでいるとうかがっています。舞台が東京になって、新たな共演者もいるかと思いますが、気持ちの変化などは?
あんまりないんですよね。そこで“区切り”という意識は一切、持ってないです。律もすんなり上京してきましたし、キャストも…といっても鈴愛とのシーンが多いので、変化したという実感もないんですよね。
律は大学に進学し、鈴愛は漫画家を目指して人気漫画家・秋風羽織(豊川悦司)のアシスタントとなります。
まず脚本を読んで、秋風先生はすごく面白いけど「どうやって演じるんだろう?」って思ったんです。自分だったらお手上げってくらい難しいし、実際に人が動いて、あのセリフをしゃべっているのが想像つかなかったんです。でも、豊川さんがやると自然で「こういう人、いるよな」って思えるんです。感動しましたね。「秋風羽織だ」って。
【東京・胸騒ぎ編】では、恋愛的な部分でも鈴愛と律、それぞれに大きな動きがありますね。鈴愛には、律の大学の同級生・朝井正人(中村倫也)という気になる存在ができて、律には“運命を感じる美少女”伊藤 清(古畑星夏)が…。
清といるときの律と、鈴愛といるときの律ってやっぱり違っていて、そこはもしかしたら、ふたりを応援してくれる人にとっては寂しいというか、「ウウッ…」となるかもしれません。東京編の撮影も進んでいますが、鈴愛と清のシーンは見どころじゃないかと。いいシーンになっています。最高です(笑)。(鈴愛と清の)ふたりの芝居は…見ていてすごく楽しかったです!(笑)
この先、律も年齢を重ねて、40代までを演じることになります。まだ撮影半ばですが、今回の朝ドラの経験が佐藤さんに何をもたらすのか。この作品を終えたとき、佐藤さんが何を感じるのか気になります。
他の作品と比べて、どうしても思い入れが強くなるだろうし、終わったら特別な寂しさがあるかもしれません。やはり朝ドラって、毎日見ていただく中で、登場人物たちをどんどん好きになっていくと思うんです。とくに今回は、何度も言うように魅力的なキャラクターばかりなので、終わったときは視聴者のみなさんと一緒に、寂しい思いをする予感がしています。
佐藤 健(さとう・たける)
1989年3月21日生まれ。埼玉県出身。A型。ドラマ『ROOKIES』(TBS系)やNHK大河ドラマ『龍馬伝』など、話題作に出演して人気を博す。主なドラマ出演作は『Q10』(日本テレビ系)、『とんび』、『天皇の料理番』(ともにTBS系)など。映画出演作は『カノジョは嘘を愛しすぎてる』、『バクマン。』、『世界から猫が消えたなら』、『何者』、『亜人』など。2017年公開の『8年越しの花嫁 奇跡の実話』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。2018年は4月20日公開の『いぬやしき』、10月19日公開の『億男』、年内公開の『ハード・コア』が控える。

「NHK連続テレビ小説『半分、青い。』」特集一覧

出演作品

連続テレビ小説『半分、青い。』
2018年4月2日(月)より放送中
(午前8:00〜8:15 NHK総合ほか)

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応募方法
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受付期間
2018年4月16日(月)12:00〜4月22日(日)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/4月23日(月)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから4月23日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき4月26日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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