「大本命」と目されていたダノンプレミアムが回避して、一気に混戦模様となったGI皐月賞(4月15日/中山・芝2000m)。レースの面白味はやや欠けるかもしれないが、馬券的な妙味はかなり増すのではないだろうか。

 さらに、最近の皐月賞を見ても、波乱への期待は膨らむばかり。一昨年は8番人気のディーマジェスティが有力馬を蹴散らし、昨年は9番人気のアルアインが勝利して穴を開けているのだ。

 昨年に至っては、2着に4番人気のペルシアンナイト、3着に12番人気のダンビュライトが入って、3連単は106万4360円の高配当をつけた。

 ここ10年の結果を見ても、1番人気は2勝のみと”荒れる”傾向が強い皐月賞。ダノンプレミアムの回避は、さらなる波乱を呼ぶ”予兆”かもしれない。

 ならば、狙うは”穴馬券”である。過去に波乱を起こした伏兵馬を参考にして、今年の皐月賞で激走が見込める穴馬を探し出してみたい。

 まずは、先述した過去2年の勝ち馬、ディーマジェスティとアルアインに注目してみた。そして、それぞれの戦績を比較してみると、ひとつの共通点が浮かび上がってきた。

 それは、前走で重賞を勝っていながら、本番で人気が上がらなかったことだ。

 ディーマジェスティは、GIII共同通信杯(東京・芝1800m)を制して皐月賞に挑んだが、共同通信杯でも6番人気と伏兵扱いされていたように、この勝利自体がフロック視されていた。あわせて、共同通信杯のメンバーレベルも低かったという評価を受けて、強豪の集うGIでは軽視されてしまった。

 もともと良血馬として注目されていたアルアインは、新馬、500万下と連勝すると、3戦目にはGIIIシンザン記念(京都・芝1600m)に挑んだ。だが、そこで6着と完敗。直線の不利に泣いたものの、その結果だけで同馬の評価は急落した。

 そのあと、GIII毎日杯(阪神・芝1800m)を勝って皐月賞に臨むが、一度落ちた評価を取り戻すまでには至らなかった。また、毎日杯が最後は僅差まで迫られながらの勝利だったことで、2000mへの距離延長が不安視されて、人気薄にとどまった。

 しかし、前走で重賞を勝っている馬は、実力、実績ともに確かなものがある。そこで今年も、同じタイプの馬を狙いたい。

 面白そうなのは、ジェネラーレウーノだ。

 同馬は、2戦目の未勝利を勝つと、500万下、そしてGIIIの京成杯(1月14日/中山・芝2000m)と3連勝を飾って皐月賞に挑む。

 戦績だけ見れば、有力候補に挙がってもおかしくない存在だが、1月の京成杯から直行すること、本番前のトライアルで有力馬と戦っていないことから、あくまでも伏兵の一角にすぎない。だが、過去の傾向からして、前走できっちり重賞を勝っている同馬は侮れない。

 ちなみに、2010年に11番人気で3着と穴を開けたエイシンフラッシュも、同じく京成杯を勝って、この舞台に直行。こちらも休み明けのローテーションが嫌われて低人気となったが、それを覆(くつがえ)したのである。

 前走で重賞を勝っている馬で、もう1頭狙いたい馬がいる。オウケンムーンだ。

 こちらも2戦目の未勝利から、500万下、共同通信杯と3連勝で皐月賞に臨むが、共同通信杯が「低調な一戦」と見られていて、上位人気を争うまでの評価は得られていない。


 それでも、勢いは十分あって、重賞タイトルを獲った前走の内容は申し分ない。さらに、近年は共同通信杯で好走し、直行で皐月賞に挑んでくる馬が何度となく戴冠を遂げている。2012年のゴールドシップ、2014年のイスラボニータ、2015年のドゥラメンテ、2016年のディーマジェスティらがそうだ。

 皐月賞と好相性の舞台を制して、絶好のローテーションでくるオウケンムーン。積極的に狙ってみたい1頭だ。

 最後に、過去10年の皐月賞で波乱を起こした馬をチェックしてみると、前哨戦を1番人気で敗れた馬が本番で巻き返すケースが複数あることがわかった。

 2010年に6番人気で2着となったヒルノダムールと、2014年に8番人気で3着に入ったウインフルブルームは、いずれもトライアルの若葉S(阪神・芝2000m)を1番人気で2着と敗戦。2011年に8番人気で3着となったダノンバラードは、1番人気の共同通信杯を9着と惨敗していた。

 ということは、穴党として見逃せないのは、前哨戦で人気を裏切って評価を落とした馬の巻き返しである。

 今年、それを実現する可能性が高いのは、グレイルだ。


皐月賞での巻き返しが期待できるグレイル

 同馬は、2歳時に新馬、GIII京都2歳S(11月25日/京都・芝2000m)と見事な連勝を飾った。その結果、前走の共同通信杯では断然の1番人気に支持されたが、まさかの7着大敗。皐月賞では人気落ち必至の状況だ。

 しかし、重賞で1番人気になるほどの馬は、きちんと力を出せば、十分に巻き返しを図ることができる。それは、過去の歴史が証明している。

 そもそもデビュー2戦目で重賞を勝つほどの器。前走の敗戦だけで見限るのは早計だろう。むしろ、「穴馬」として狙うには格好の存在と言える。 ダノンプレミアムの突然の回避によって、”荒れる”雰囲気がプンプン漂う皐月賞。そんな戦前のムードどおり、波乱を演出して高配当をもたらす馬が、この中にきっといる。

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