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「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。

連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京から地方へ移り住んで感じたことを交えながらお伝えいたします。

○地下鉄を利用してみて

桜前線が日本列島を通過中なので、桜見物をしに出かけられる方も多いのではないでしょうか。桜見物客が自動車で桜の名所に向かうと、街や道路が混雑してしまうため、「公共交通機関でお越しください。」と呼び掛けている地域も多いと思います。東京在住の頃は、地下鉄を利用して、桜を見に行ったこともありました。

地下鉄の改札口から、大型商業施設に直結している駅も多く、雨にぬれることなく目的地に行くこともできて便利でした。

現在住んでいる地域でも地下鉄を利用しており、繁華街や商業施設にも短時間で行くことができるので便利です。そして何より、平日の日中の車内は東京に比べて混雑する時間帯が短いので、座って乗車できることが多いです。「東京に人口が集中しすぎているのかもしれない」と、現在住んでいる地域で交通機関を利用したり、街中を歩いたりすると改めて実感します。

地下鉄の運賃表を見た際に、現在利用している地下鉄は、東京の地下鉄と初乗り運賃はさほど変わらないが、長距離乗車する場合、東京と比較して運賃が高いのではないかと思いました。そこで今回は全国にある地下鉄の運賃を調べてみました。

○地下鉄の運賃

全国の地下鉄の運賃(普通券/きっぷ)を見てみましょう。初乗り運賃は、210円(緑色で表示)と設定している会社が最も多く、次に200円、180円と続きます。東京メトロが170円(赤字で表示)で最も安い初乗り運賃です。人口が多いので利用者も多く、安い初乗り運賃でも経営が成り立つのでしょう。

興味深いのは、約15匸莠屬靴疹豺腓留芯造任后E賤婢眤鉄道が最も高く630円です(青字で表示)。次に埼玉高速鉄道で470円(青字で表示)。どちらも第三セクターと呼ばれるもので、国や地方公共団体(第一セクター)と民間企業(第二セクター)の共同出資によって設立されたものです。

事業開始時期は、東葉高速鉄道は平成8年4月から、埼玉高速鉄道は平成13年3月からで、昭和の時代から事業を開始している公営地下鉄と比べて、新しい設備等を建設するため、建設費の金額が膨らみ、他の地下鉄よりも高い運賃設定になってしまったのかもしれません。また総路線距離も、東葉高速鉄道は約16辧∈覿鵡眤鉄道は約15劼斑擦い里如⇒用者数が東京メトロ(約195)等に比べて少ないことも、高い運賃設定の理由だと思います。

一方、約15匯点で最も安い運賃は、横浜高速鉄道で210円(赤字で表示)としていますが、総路線距離が4.1劼斑擦い燭瓠15卅行した場合では、東京メトロの240円(赤字で表示)が最も安い運賃となります。

○終わりに

今回は、地下鉄の運賃について調べてみました。ICカード乗車券(Suica、PASMO、manaca、TOICA、nimoca、SUGOCA、PiTaPa、Kitaka、はやかけん)を利用して自動改札機を通るため、運賃を気にしないという方も多いのではないでしょうか。同じ区間でも、ICカードで乗車したほうが普通券(きっぷ)よりも安いところもあります。

また、勤務先から定期券分の金額を支給される方は、定期券区間内ですと、運賃を払っている感覚すらなくなっている方もいらっしゃるかもしれません。私も東京で地下鉄を利用している時は、複雑な路線図を把握することが精一杯で、運賃まで目がきませんでした。

現在は、利用する地下鉄は1つの会社のみで、利用区間もほぼ同じなので料金も把握しています。買い物する時に、あの駅まで往復600円かかるのであれば、インターネットで購入する方が、送料を支払ってでも安いのではないかと、今では出かける前にインターネット上の価格を確認するようになりました。

コラム1で、家賃では、東京が最も高いとお伝えしました。一方で、公共交通機関の1つである地下鉄は、東京メトロが最も安い運賃で利用できます。公共交通機関は、日々の生活にかかせない交通手段です。気づかないうちに、年間を通してかなりの支出になっていることもあるでしょう。

「家賃が高いが公共交通機関の運賃が安い地域」と「家賃が低いが公共交通機関の運賃が高い地域」、公共交通機関を多く利用する生活をするのであれば、もしかすると「家賃+公共交通機関利用額」の年間合計支出金額は、さほど差がないのかもしれません。

○高鷲佐織(たかわしさおり)

ファイナンシャル・プランナー(CFP 認定者)/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/DCプランナー1級。

資格の学校TACにて、FP講師として、教材の作成・校閲、講義に従事している。過去問分析を通じて学習者が苦手とする分野での、理解しやすい教材作りを心がけて、FP技能検定3級から1級までの教材などの作成・校閲を行っている。また、並行して資産形成や年金などの個人のお金に関する相談を行っている。