生きているオタマジャクシを食べさせられる子供(画像は『Shanghaiist 2018年4月3日付「Mom feeds live tadpoles to her kid, says they will help keep him healthy」』のスクリーンショット)

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中国の農村部に今なお伝わる、子供に生きたオタマジャクシを食べさせるという食文化。「シロウオの踊り食いを楽しむ日本人が何を偉そうに」と言われればそれまでだが、ここで問題なのは感染症による健康リスク。滋養強壮について誤った知識も多い中国で今、専門家がオタマジャクシの生食について警鐘を鳴らしているもようだ。

中国農村部のいくつかの地域で今なお続くゲテモノ食いの文化。育ち盛りの子供たちに生きているオタマジャクシを食べさせようという地域もあるそうだ。しかし中国国家自然科学基金委員会(National Natural Science Foundation of China)が資金を援助している医学雑誌は昨年、オタマジャクシの生食は大きなリスクがあるという内容の論文を発表し、研究者は以下のように警告している。

「河南省に生息するオタマジャクシの11.93%がサナダムシの幼虫の段階と言えるプレロセルコイドに感染しており、これを摂取した場合ヒトの体内を幼虫のまま移動し、皮下のさまざまな場所に腫瘤をつくるスパルガヌム症(弧虫症)を発症する可能性がある。」

「たとえば農業従事者の29歳患者においては、深刻な皮膚の感染症状を呈して1か月以上入院していたが、生のオタマジャクシを食べていたことによる弧虫症であることが判明した。」

オタマジャクシに特別な治療効果や健康効果があると農村部の人々が信じているのだとしたら、健康および公衆衛生の正しい知識を基礎から教育しなおすことが必要だと結論づける同委員会。それでも中国では“先人の知恵”とされる奇妙な食文化が今なお根付いている。上海のメディア『Shanghaiist』は少し前、生きたまま投じられた“ワイン漬けフクロウ”について写真を添えて報じていた。大きく白目を剥きながら悶絶死を遂げたフクロウが沈むそのワインボトルは見るに堪えないグロテスクなものだが、広東省広州市では古くから「発熱、インポテンツ、頭痛や関節痛の緩和などに効果がある」と信じられているという。

画像は『Shanghaiist 2018年4月3日付「Mom feeds live tadpoles to her kid, says they will help keep him healthy」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)