今週末8日、阪神競馬場では3歳牝馬クラシックレースの第1弾・GI桜花賞(芝1600m)が行なわれる。

 今年は昨年の最優秀2歳牝馬ラッキーライラック(牝3歳・松永幹夫厩舎)が断然の人気を集めそうだ。同馬は8月の新馬戦(新潟・芝1600m)、GIIIアルテミスS(10月28日/東京・芝1600m)、そしてGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日/阪神・芝1600m)と3連勝してJRA賞最優秀2歳牝馬のタイトルを獲得した。


年明け初戦のチューリップ賞も勝って、無敗で桜花賞に臨むラッキーライラック

 年明け、約3カ月ぶりだった前走のGIIチューリップ賞(3月3日/阪神・芝1600m)も1分33秒4の好タイムで2馬身差をつける圧勝を見せた。前走からプラス10kgと成長が感じられる馬体で、レースでもスッと3番手に控え、直線で満を持して追い出されると鋭く伸び、まったく危なげのない走りを見せた。

 本番に向けて不安なし、とも言えるが、ラッキーライラックにとって嫌なデータもある。2歳女王が桜花賞を勝ったのは、過去20年で2001年テイエムオーシャン、2009年ブエナビスタ、2010年アパパネのわずか3頭だけだ。

 さらに、2歳女王が前哨戦を勝利して桜花賞に臨むというケースも意外と少なく、前出のテイエムオーシャンとブエナビスタに加え、2007年ウオッカ、2016年メジャーエンブレム、2017年ソウルスターリングの5頭で、桜花賞を勝利したのはテイエムオーシャン、ブエナビスタの2頭となる。

 2歳女王に輝き、前走のチューリップ賞で4戦4勝というラッキーライラックの戦績は昨年、断トツの1番人気となったソウルスターリングと同じである。「無敗」は強さを示しているわけだが、弱点や課題が見えていないという不安もある。実際、ソウルスターリングは初の稍重馬場を気にしてか、桜花賞は3着に敗れた。ラッキーライラックは4戦とも良馬場だったので、道悪になれば、初めての経験であり、未知数のファクターとなる。

 ただ、これまで見せた走りは極めて安定した強い内容で、普通にレースができれば勝利する可能性は高い。桜花賞だけでなく、GIオークス(5月20日/東京・芝2400m)、GI秋華賞(10月14日/京都・芝2000m)と、牝馬の三冠すべてを制しても不思議ない実力馬と見ている。

 血統は父が三冠馬オルフェーヴルで、母は米GIアシュランドS(キーンランド・ダート1700m)を勝ったライラックスアンドレース、近親にミッキーアイル(GI NHKマイルC)、アエロリット(NHKマイルC)などがいる煌(きら)びやかなもので、こちらも桜花賞馬に相応しいものである。

 ラッキーライラックの次に支持を集めるのは、GIIIシンザン記念(1月8日/京都・芝1600m)を勝ったアーモンドアイ(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)だろう。同レースは牡馬との混合戦で実績馬も揃ったが、10月の未勝利戦(東京・芝1600m)を勝って以来、約3カ月ぶりの実戦、スタートでの出遅れ、そして稍重の馬場をものともせず、4コーナー9番手(11頭立て)から鋭く力強い末脚を繰り広げ差し切った。その末脚に大物感を覚えた人も多いことだろう。

 今回はそれ以来3カ月ぶりのレースになる。過去の桜花賞馬で、3カ月以上の休み明けで勝利した馬は皆無で、ローテーション的には割り引かざるを得ない。

 血統は父が香港スプリント連覇を含む1200〜1600mのGIを6勝したロードカナロアで、現3歳が初年度産駒。本馬の他にステルヴィオがGIIスプリングS(中山・芝1800m)を勝利している。母フサイチパンドラはGIエリザベス女王杯勝ち馬で、父も母もJRA GI馬という、ラッキーライラックに劣らぬ良血馬である。

 さて、この2頭のどちらに軍配が上がるのだろうか。筆者はやはり、レース内容が安定しており、三冠を獲っても不思議ない実力馬と見ているラッキーライラックを上に見たい。良馬場で、レース中に大きな不利がなければ、高い確率で勝利を飾りそうだ。アーモンドアイは久々の実戦という点と、スタートダッシュがつかず後方の位置取りになりそうなだけに、展開に左右されるタイプというのが気になるところ。とはいえ、ラッキーライラックがハイペースに巻き込まれるなど厳しい展開になって、後方のアーモンドアイ向きの流れになれば、逆転もあるだろう。どんな桜花賞になるか楽しみだ。◆アンカツ氏が自信ありげ。桜花賞、オークスを占う「3歳牝馬番付」>>

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