(写真)田村智子議員

厚労省通知

 厚生労働省は生活保護制度の利用に関して、適正な収入申告が行われなかったとしても、やむを得ない事情があれば、不正受給として取り扱わない場合がありうるという考えを3月30日付の通知で示しました。

相次ぐ全額返還

 生活保護は世帯の収入が最低生活費を下回っている場合に、その差を保護費として支給します。そのため、生活保護世帯は収入を申告しなくてはなりません。2012年に厚生労働省は会計検査院の指摘も受けて、未申告の収入などは不正の意図があったかにかかわらず「不正受給」として、その収入を全額費用徴収する扱いとしました。そのため、申告義務を知らない高校生の未申告アルバイト等が税務調査で明らかになり、その収入の全額返還を求められることが相次いでいます。

 しかし15年3月に横浜地裁は、同様のケースで申告しないことをもって直ちに不正受給とすることは酷として費用徴収処分を取り消しました。不正の意図がないものまで「不正受給」とする運用について見直しが求められていました。

家庭環境も考慮

 改正された通知では「世帯主及び世帯員の病状や当該被保護世帯の家庭環境その他の事情により、世帯主や世帯員において収入申告義務についての理解又は了知が極めて困難であり、結果として適正に収入申告がなされなかったことについてやむを得ない場合があることも考えられる」とし、「不正受給の意思の有無の確認に当たっては、世帯主及び世帯員の病状や当該被保護世帯の家庭環境等も考慮する」としています。

 日本共産党の田村智子議員は16年5月1日の参院厚生労働委員会で、この問題をとりあげ、「高校生が制度を十分理解せずにアルバイトをして、収入を学業のために既に使ってしまっても全額返還させるという扱いはあまりにも酷」と見直しを求めていました。