レースを目前に控えたドバイは、昨年の雨続きとは打って変わって、好天が続いている。灼熱とまではいかないものの、日中の日差しはかなり強い。前日も芝、ダートともにかなりの散水が行なわれる見込みだ。

 シーマクラシック(メイダン・芝2400m)には日本から3頭が出走する。そのいずれもが、昨年のGI勝ち馬。日本ダービーを制したレイデオロ(牡4歳/父キングカメハメハ)に、宝塚記念を勝ったサトノクラウン(牡6歳/父マルジュ)、エリザベス女王杯を勝ったモズカッチャン(牝4歳/父ハービンジャー)という面々だ。3頭いずれも順調にドバイでの調整が進められており、本番に向けて不安材料はない。

あえて挙げるとすれば、レイデオロについては折り合い面だろう。遠征前のひと叩きとして休み明けで出走した京都記念(2月11日/京都・芝2200m)は、相手に敗れたというよりは折り合いを欠いて自滅した格好だった。今回は主戦のクリストフ・ルメール騎手に戻ることと、一度使われたことでうまくガス抜きができていることで、そのあたりは解消されると思われる。しかし、初ナイター、スタンド前発走でスイッチが悪いほうに入ってしまう懸念は拭いきれない。


海外ブックメーカーで1番人気はクロスオブスターズ

 また、相手関係もラクではない。何といっても昨年の凱旋門賞(10月1日/シャンティイ・芝2400m)2着のクロスオブスターズ(牡5歳/父シーザスターズ)は一番の難敵で、さらに前哨戦ドバイシティオブゴールド(3月10日/メイダン・芝2400m)をレコードで制したホークビル(牡5歳/キトゥンズジョイ)も侮れない。

 ブックメーカー各社ではクロスオブスターズが1番人気で、レイデオロとポエッツワード(牡5歳/ポエッツヴォイス)が並んで2番人気、その次にサトノクラウンとホークビルが続いて、以下、アイダホ(牡5歳/父ガリレオ)、モズカッチャンの順の評価となっている。

 一方、日本では、おそらくレイデオロが1番人気で、クロスオブスターズとサトノクラウンが2番人気を競うのではないだろうか

 傾向としては、上がり馬よりは実績馬のレース。それも凱旋門賞クラスで連対しているレベルなら、ほぼここでも好走できる。無理に「格」に逆らう必要はなく、クロスオブスターズを本命にする。勝てなくとも連を外すことは考えにくい。展開的にも、同じゴドルフィンのベストソリューション(牡4歳/父コディアック)がペースメーカーとなり、アシストするだろう。ただ、ペースメーカーといってもキビキビと逃げるような展開にはならないと予想する。

 枠順的にレイデオロは内にもぐり込みやすそうだが、すぐ内の枠にはライアン・ムーア騎手騎乗のアイダホがおり、どうしても1列外を回されてしまいそうだ。

 穴っぽいところではモズカッチャンを推奨したい。このレースでは牝馬の好走がめずらしくなく、さらに最内枠はこれまでの戦績からもプラスだろう。

 メインのドバイワールドカップ(メイダン・ダート2000m)は、メイダンの馬場がオールウェザーからダートになって以降の3年間で、3着以内となった9頭のうち、実に7頭がアメリカ調教馬だ。ほかの2頭は1頭がUAEダービーを勝ったムブタヒージ、もう1頭がステップレース2戦とも2着だったプリンスビショップだった。このアメリカ調教馬以外の2頭はともにドバウィ産駒だったことが共通している。

 過去、日本調教馬ではアウォーディーとホッコータルマエのそれぞれ5着が最高で、2年連続での挑戦となるアウォーディー(牡8歳/父ジャングルポケット)は、昨年の着順をどれだけ上回れるのかの戦いとなる。

 断然の人気が見込まれるのはアメリカのウエストコースト(牡4歳/父フラッター)だ。昨年のアメリカの最優秀3歳牡馬で、昨年の勝ち馬アロゲートと同じボブ・バファート調教師の管理馬である。すでにGIを2勝しており、さらにブリーダーズカップ(BC)クラシック(11月4日/デルマー・ダート2000m)で3着、ペガサスワールドC(1月27日/ガルフストリーム・ダート1800m)で2着と、引退したアロゲート、ガンランナーに続く存在として注目されている。


前走レコード勝ちの地元馬ノースアメリカは要注意!

 去年のアロゲート、一昨年のカリフォルニアクロームほどの存在感があるか微妙だが、ではこれを超える馬が他にいるかというと、なかなか見当たらない。同じアメリカのガンナヴェラ(牡4歳/父ダイアルドイン)とは勝負づけが済んでいるし、フォーエバーアンブライドルド(牝6歳/父アンブライドルズソング)も、このレースで牝馬が振るわないことを考慮するとちょっと難しい。

 逆転の可能性を探るとすれば、タリスマニック(牡5歳/父メダリアドーロ)とノースアメリカ(せん6歳/父ドバウィ)か。タリスマニックは、昨年のBCターフ(11月4日/デルマー・芝2400m)の勝ち馬で、昨年後半から急速に力をつけてきたが、今回はあえてダートに挑戦してきた。父がダート適性の高いメダリアドーロであることと、アメリカ遠征の際、ダート調教での走りに適性を見出されたというのが理由だ。ただ、能力は疑いようがないとはいえ、未知の部分が大きく、人気もそこそこあるなら旨みはないかもしれない。

 ならば、地元のノースアメリカのほうが面白そうだ。日本ではあまり馴染みのないサティシュ・シーマー調教師の管理馬だが、UAEでは毎年好成績を残しており、過去にドバイゴールデンシャヒーンも制したことのある名調教師だ。

 前走のアルマクトゥームチャレンジR3(3月10日/メイダン・ダート2000m)は自力でペースを作ってのレコード勝ち。馬場状態はその前走とほぼ変わらないのであれば、同じだけのパフォーマンスが期待できる。これに勝つには、レコードを更新できるレベルが必要で、それができる馬となると、ウエストコーストぐらいしか想像がつかない。また、父はこのコースに相性のいいドバウィで、先述の「2頭」と共通している ドバイワールドカップデーの後半2レースは軸馬がはっきりしているので、ヒモをひとひねりして高配当を狙うのが賢明だ。

◆ズラリ人気馬いりまへん。大坂杯は穴党記者が「6番人気あたり」を推奨

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◆大阪杯は「GI馬に勝てるわけねーよ」と思われた穴馬4頭が大暴れだ