ジョン・ベイリー(John Bailey) photo : Getty Images

アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー。会長のセクハラ行為が告発、会長が声明を発表した。

今月初め、セクハラで告発された映画芸術科学アカデミーのジョン・ベイリー会長。申し立ては3件あり、アカデミーは内部調査をスタート。それが終わるまではコメントしないと発表していた。

まだ調査は続行中だけれど、ベイリー会長はアカデミーのスタッフに対して声明を発表。「アカデミーに調査を進めてもらいたいと思っていたのでこの数日、マスコミに対してコメントするのを控えていました。でも間違った報道が流れているため、アカデミーを代表して私のそばで働いている君たちに対して正しい説明をしなくてはいけないと思った」とコメント。そして「ある1人の告発者は10年以上前、映画のセットで移動用のバンに一緒に乗っているとき、不適切に体を触られたと主張している。そのようなことは起きなかった」と疑惑を否定している。また「私はキャリアを通してずっと女性を応援してきたし、一緒に働き支援してきた多くの女性たちが私に対して与えてくれたサポートにとても励まされてきた」とも。

シェリル・ブーン・アイザックス(Cheryl Boone Isaacs) photo : Getty Images

ベイリー会長は昨年8月に会長に就任したばかり。それまではシェリル・ブーン・アイザックスが会長を務めていた。彼女は初のアフリカ系アメリカ人の会長で女性としては3人目。セクハラ撲滅に真剣に取り組むべきアカデミーでこんな騒ぎが起きるとは……と失望の声が上がる中、マイノリティの立場を代表するアイザックスの方が厳しい態度が取れたのでは? という指摘も。プロデューサーや制作会社トップなど、権力を持つポジションに女性を増やそうという動きが高まるハリウッド。まずはハリウッドに君臨するアカデミー会長から女性にした方がいいのかも。

text: Yoko Nagasaka