カシオのゲーム電卓SL-880を旧MG-880と比較 ゲームは忠実、メロディーモードが残念
1980年代に発売され一世を風靡したカシオのゲーム電卓「MG-880」が復刻、「SL-880」として3月23日に発売されました。発表と同時に通販サイトで予約が開始され、即完売という人気ぶり。ヨドバシカメラの通販サイトでは次回のお届け予定日8月下旬とアナウンスしています。運良く運よく入手できましたので、レビューをお届けします。

電卓の数字表示を使ってシューティングゲームを楽しめるというもの。以下、ニュースリリースから引用したゲームの概要です。
右側から攻め込んでくる侵略者の数字に、ビーム砲の数字を合わせることで迎撃するシンプルで楽しいゲームです。

「・」キーを押す回数で標的に含まれる数字に合わせ、ビーム砲として「+」キーで発射。ビーム砲台は3基あり、侵略されるごとに1基ずつ減ってゆきます。得点は侵略者を迎撃した位置によって決まり、UFO(撃墜した数字の合計値の末尾が0となるごとに出現※)を撃ち落とすと300点が加算されます。

※標的の残り数によっては、出現しない場合があります。

シンプルなルールですが非常に熱く、中毒性が高いゲームで、筆者も当時大ハマリしました。すがやみつる先生の「ゲームセンターあらし」にも登場したほどで、学校内にも複数台持ち込まれていたのをよく覚えています。

パッケージ内にはゲーム電卓 SL-880本体、取り扱い説明書、税率設定に関する注意、専用ケースが同梱されています。専用ケースは両面テープでの貼り付け式になっていますね。



パッケージ裏には、おもにゲームに関する概要、操作手順が書かれています。UFOは各ラウンドで消した数字が10の倍数になったときに出現します。いかに多くのUFOを出すかが高得点のカギとなります。

さて、申し遅れましたが1980年当時、私は元祖ゲーム電卓の「MG-880」を購入することができなかったので、思い募って数年前にヤフオク!で「MG-880」を約2万円で購入したのでした。SL-880とMG-880を比較してみましょう。



左がSL-880、右がMG-880。ボディーのサイズはMG-880のほうがやや小さいですが、一番異なっているのは表示桁数。MG-880が8桁のところ、SL-880は10桁表示となっています。また、キーを見比べればわかるとおり、消費税導入前に発売されているMG-880には税計算機能が搭載されていません。太陽電池も搭載されていませんね。電卓としての使い勝手は新しいMG-880のほうが上であることは間違いないでしょう。



次に背面を見てみましょう。太陽電池を搭載するSL-880ですが、TWO WAY POWER(ツーウェイ・パワー)方式を採用しているので、「CR2016」を装着するソケットが背面に用意されています。ちなみにMG-880に使用されている電池は「LR1130」×2です。SL-880の電池ブタがネジで閉められているのは、電池誤飲を防止する目的もあると思われます。



カシオによればゲーム内容は、SL-880とMG-880に違いはないそうです。でも、液晶の文字やボタンが大きいぶん、SL-880のほうが遊びやすそうですね。ボタンのクリック感もSL-880のほうが反発力が適度にあって好ましく感じました。

ただ、ひとつだけ残念な違いが両者にはあります。SL-880にはメロディーモードが省略されてしまっているのです。



チープでノスタルジックな音を奏でるMG-880のメロディーモードは、ちょっとした暇つぶしにもってこい。普通に電卓として使っていて、偶然生まれるメロディーがまた楽しかったりします。どんな理由でメロディーモードが省かれてしまったのかわかりませんが、SL-880は非常に売れ行きが好調なようなので、次期モデルをメロディーモード搭載の完全版として、ぜひ発売してほしいところです。

Playストアを「ゲーム電卓」とか「MG-880」と検索すれば移植作が複数リストアップされますが、ゲーム電卓の楽しさは物理ボタンあってこそ。セカンドロットは少し先になりそうですが、30年以上待ったのですから今さら転売屋からなど購入せず、どうぞお待ちください。