元祖ポケモンGO男「懲りない中年」がiPhoneで「Just a Line」に挑む「日本中で桜を見せたい」(世永玲生)

こんにちは。世永玲生です。
懲りない中年って良いですよね。クリエイティブに対して。

僕も「Gunpeyリバース」というゲームと音が連動しながら演奏できるゲームの後、どうしても誰でも作曲・演奏できるシンセサイザーが作りたくて、「Matrix Music Pad」というアプリを作りたくて、1年かけて駆けずり回り最中、友人に「本当に懲りないよね」って言われるのを励みにしてました。

さて、「ポケモンGO」から遡ること5年、日本でARで「ゲットだぜ!」をリリースしてた愛すべきおっさんがいます。

「iButterfly 」と「iButterfly Plus」ってアプリで、日本全国のAR空間に散らばるチョウチョを捕まえるアプリだったんですが、クーポン機能とか、SNS機能とか、てんこ盛りで色々早すぎるアプリでした。

そのおっさんこと北村勝利さんが、「Just a Line」とほぼ同時に、和製「空間に落書き出来る動画撮影アプリ」をリリースしちゃいました。「WonderDoor 」というアプリです。

アプリの内容はこんな感じ


アプリを起動すると、カメラが床を自動認識します


暗い所だとエラーメッセージが出るので、明るいところで試しましょう


床を認識すると、空間に落書きすることができます


落書きの最中も撮影出来ます。


落書きした絵は空間に固定され、回り込むことができます

空間にオブジェクトを置くことも可能です。この像は動くらしいんですが、やり方がわからなかったです。
つつくのかな。


桜吹雪のオブジェクトや


パンダのオブジェクトがあったりします。

と、「Just a Line」で発表された部分はほぼ出来た上でプラスアルファがある感じでしょうか。

実は、このアプリのプロデューサー、面識があったのでチャットインタビューを申し込んでみました。

インタビュー

──こんにちわ。そういえば、以前ポケモンGOみたいなゲームを作ってましたよね。いつごろでしたっけ?

北村さん:2011年の5月に「iButterfly Plus」というタイトルで世界配信しましたね。
電通さんの「iButterfly」を引き継いでゲームに特化した内容です。
世界初のARゲームだと思っていて、「ポケモンGO」の元祖って言えば元祖ですね。

──ポケモンGOが流行ったときはどんな気持ちでした?

北村さん:「ARゲーム」でなくて「位置ゲー」やん!とツッコミました。

──確かに、拡張現実の中を追っかけるみたいな感じは「iButterfly」や「iButterfly Plus」の方がありましたしね。北村さんと言えば「早すぎるおっさん。」のイメージもあるんですが。更に年を重ねてモノづくりの人間としての変化はありましたか?

北村さん:自分が熟成して時代にあってきたというか、マネタイズのコツだったり時代に合わせる方法がやっとわかってきた感はありますね。

──今回のタイトルでの北村さんの関わりはどんなだったんでしょう。

北村さん:事業全体のプロデュースですね。もともとソニー・デジタル・エンターテイメントという会社はクリエイティブ領域で実績を残しており、VR Galary というリアルのアートギャラリーを阿佐ヶ谷に常設店舗として行うなどデジタルアート分野に力を入れていたので提案し共同事業として進めました。どちらかというと、アプリは先方、ワンダーリーグ社はARゴーグルやAR紙ペン(今後出すサービス)といったハード領域でのマネタイズを目材しています。

──今回の「WonderDoor」のテーマはズバリなんでしょう。

北村さん:ずばり「空間表現」です。ARテクノロジーが実現する場所(空間)と時(時間)を超えた新しい表現手法を届けたい。実際、小学生に書かせると大人より自由に大きく表現します。そんな元気な表現手法がある事を知ってもらいたいですね。

──なんで「WonderDoor」を作ろうと思ったんですか?

北村さん:空間をキャンバスにして描くARアートというジャンルを確立したかったんですね。
このアプリのコンセプトは「描く喜び」「見る楽しみ」です。

──「WonderDoor」の楽しみどころはズバリ。

北村さん:ペイント機能を使って新しい表現手法を楽しめるところですね。加えて、第一弾として「お花見シーズン」に合わせたコンテンツである「桜」と「花吹雪」を収録してますので天気が悪くて屋外でお花見できない時はこれで楽しんでください。
日本中に桜を咲かせたかったんですよ。桜は日本の心ですし。

──Android版はARCOREの対応端末に合わせてのリリースって感じですか?

北村さん:そうですね、今はgalaxyS8のみの状態なので。対応端末の拡大により、Android版も前向きに検討していきたいです。

──それでは最後に10年後の北村さんはなにをやってるのかとか教えてください。

北村さん:かわらずiPhoneの新しい機能を使ったサービスを考えていると思います。その頃はスマートグラスになってるんでしょうかね?(笑

──「懲りない中年」って凄くいいですよね(笑)電通さんから「iButterfly」引き継いだ時に社名まで「バタフライ」に変えてましたし。今度こそ本当の最後ですが、ARにそこまで執念をかけれる理由はなんでしょう。

北村さん:iPhoneが好きなんですよね。なのでiPhoneが搭載する新しい技術はなんでも挑戦したい。というところです。iButterflyの時もセカイカメラと一緒に新しいトレンドに挑戦しましたし、今回はARKitというiOSの登場に合わせた形です。今後も懲りずに頑張りますよ!おっさんから爺さんになっても!というか既に孫がいるんでお爺さんなんですけどね。

──おお。それは(笑)今日は、ありがとうございます。また今度飲みましょうね。久しぶりに。

アプリ開発やサービス開発の皆さん。世界に挑む「懲りないおっさん」の執念を触ってみてください。
VRゴーグルにも対応しているみたいなので、環境が有る方はそちらでも。

WonderDoor ┃ Appstore