多くの中国人が、日本の民泊で一儲けしようと思っていたが、民泊新法によって、清掃コストがかかるため、年間180日しか営業できないと利益を出すのが難しく、週末だけの営業となったら経営が成り立たないと中国人オーナーが困惑しているという。(イメージ写真提供:123RF)

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 外国人観光客の急増により、ますます注目されるようになっている「民泊」。東京オリンピックが迫るなか、ホテル不足の解消という観点からも期待が寄せられているが、その一方で民泊が関係するトラブルも後を絶たない。

 こうした事態を踏まえて、2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されることとなったが、これにより民泊業界に変化が生じるのだろうか。中国メディアの今日頭条は19日、新たな民泊法に中国人オーナーが頭を悩ませているとする記事を掲載した。

 これまでは、民泊を経営するためには都道府県知事の許可が必要だったが、民泊法では都道府県知事等に届出をするだけで住宅宿泊事業を営むことができるようになる。また、住居専用地域での営業も可能になるという。

 これだけを見るとむしろ規制緩和のように思えるが、このどこが中国人オーナーを困らせているのだろうか。記事によると、「届け出が必ず必要になること」、「年間の営業日数が180日までと定められたこと」、「宿泊者名簿の作成」、「オーナーが居住してない場合は第三者の管理会社による管理が必要なこと」などが新たに加えられるという。

 これに加え、自治体によってはさらに厳しい条例を科している場所もあると記事は紹介。例えば、渋谷区では夏休みのみ営業可であることや、新宿区や板橋区など多くの区では週末のみ営業が認められている。このため、多くの中国人が民泊をあきらめざるを得なくなっているようだ。

 それだけ多くの中国人が、日本の民泊で一儲けしようと思っていたとも言えるだろう。東京で民泊を営んでいる中国人男性は、民泊経営のため板橋区で新たに一軒家を購入したところだという。しかし、民泊新法によって、清掃コストがかかるため、年間180日しか営業できないと利益を出すのが難しく、週末だけの営業となったら経営が成り立たないと述べている。

 このため、民泊新法は実質的に民泊禁止法だとの批判もあるが、オリンピックを前にトラブルの多い民泊の整備は急務だろう。これを期に民泊の安全性が保障されるようになることを願いたい。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)