「センスがない」とあきらめていませんか?(写真:Ushico / PIXTA)

「一眼レフで撮れば、劇的にすごい写真が撮れるはず!」
そう思って一眼レフのデジカメを手にしてみたものの、「撮ってみたら何か微妙……」。そんな経験はありませんか?
「一眼でもうまく撮れない人が知らない3常識」(2月25日配信)に続いて、カメラ挫折経験をもつイラストレーターのこいしゆうかさんが、写真家の鈴木知子先生に学びながら、カメラを上達していく様子をコミックでまとめた『カメラはじめます!』から、写真のコツを紹介します。

写真の撮り方で、売れるか売れないかが決まる

フリマアプリで誰でも簡単にものを売ったり、買ったりできる時代。中でもメルカリは、その代名詞とも言えるほどの知名度と人気を誇っています。扱っている商品のジャンルは多岐にわたり、出品までの流れもシンプルなため出品自体のハードルはそれほど高くはないと言われています。

問題は、自分が出品した商品が「ちゃんと売れるか」ではないでしょうか。

メルカリで購入を検討している消費者が判断基準の一つにしているのが、「商品の写真」でしょう。同じ商品でも、写真の撮り方一つでお客さんの反応は大きく違うもの。つまり、商品の魅力を最大限に引き出す写真が撮れれば、より商品は売りやすくなると言っても過言ではないでしょう。

商品撮影でまず欠かせないのが、「明るさ」です。商品に質感や立体感を出し、写真がのっぺりしてしまうのを防ぎます。

ここで注意したいのが、室内は屋外と比べると光が足りないため、私たちが思っている以上にカメラにとっては暗い状況ということ。そのため、暗く写ってしまうことが多いです。

どんなに素敵な商品でも、写真が暗いと台無しですよね。そこで救世主となるのが、「レフ板」というアイテムです。

よくモデルさんの撮影で、スタッフさんが大きな円盤のようなものをあてているあれです。

レフ板は光を反射させて、被写体に光をあてる役割をします。特に逆光での撮影だと影になりやすいのですが、影になってしまい暗くなっている箇所にも、レフ板で光をあててあげることで、影を薄くし、商品を明るく写すことができます。


(出所)『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)

身近にあるもので代用が可能

「でもレフ板って高いんでしょ?」と思う方もご安心を。実は身近にあるものでも、簡単に代用することができます。

たとえば自宅にあって手軽なものに、アルミホイルが挙げられます。作り方はとっても簡単。撮りたい被写体のサイズに合う量を出して、ぐしゃぐしゃに丸め、広げるだけ!

たとえばアロマ瓶を撮りたい場合、アルミホイルをレフ板にしただけで、こんなに写りが変わります。


(出所)『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)


(出所)『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)

ちなみに、撮影の舞台裏はこのようになっています。


(出所)『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)

売れる写真の共通点とは

売れる商品写真の共通点として、商品の情報を正確に伝えている、ということがあります。その商品がどんな色や形なのか、質感やサイズ感はどうか、パッと見ただけでお客さんに伝わるように撮影しなくてはなりません。

メルカリでは衣服品は特に人気のジャンルですが、写真を見てみると、部屋の壁にかけたままや、床に置いた状態で撮影されたものをよく見かけます。

これらは商品の詳細がわかりづらいうえに、どうしても生活感が出てしまい、お客さんの目線になったとき、それを本当に買いたいと思うかというと、答えはNOだと思います。

そこで意識したいのが「背景選び」です。用意するのは少し大きめの白い紙。商品を紙の上にのせて、真上から撮れば、余計なものが入るのを防ぐことができます。背景が白色になるので、商品の概要も伝えやすくなります。

また、商品のサイズが大きい場合、アルミホイルだとレフ板としては面積が足りないですよね。そこでも活躍するのが白い紙です。

影になっている部分に、白い紙をレフ板代わりにして光をあててあげましょう。ズボンのシワが目立たなくなったり、柄を綺麗に見せたりする効果があります。


(出所)『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)

衣類はスチームアイロンをかけたり、帽子は中に新聞紙を詰めて形を整えてあげておいたりするだけでも、写りの見栄えが全然違います。ちょっとした一手間で、他の写真と大きく差をつけることができます。

他にもある!プロがやっている写真のテクニック

商品撮影以外にも、プロがやっているテクニックは簡単に取り入れることができます。たとえば日常の中でも撮影するときに、被写体をどのように配置しようか迷うことはありませんか? そんなときは「構図」を知っていると便利です。

構図とは、人間が見ていて気持ちがいいと感じるバランスの法則で、いろんなパターンがあります。ここでは、一番スタンダードな「三分割構図」を紹介します。

カメラの画面上で、長辺と短辺をそれぞれ三分割にして線をひくのをイメージします。すると4点が交わります。あとは、この4点のどこかに、撮りたい主役を置いてあげるだけ。バランスの良い写真に仕上がります。


(出所)『カメラはじめます!』(サンクチュアリ出版)

写真のテクニックはいろいろありますが、特に構図はどんなカメラでも、初心者でも誰でもすぐに使えるテクニックなのでおすすめです。

よく、自分の写真が微妙なのは「センスがないからだ」を思いがちですが、実はこれらのちょっとしたテクニックで、写真は一気に垢抜けます。

ここでは紹介しきれませんでしたが、他にも撮る時間帯や光の向きなどで、プロのような写真を撮ることだってできます。

写真のセンスは、生まれ持った才能だけではなく、ちょっとした知識の積み重ねでも作れるのです。