GI皐月賞(4月15日/中山・芝2000m)のトライアル戦、GIIスプリングS(中山・芝1800m)が3月18日に行なわれる。

 熾烈な出走権争いが繰り広げられるうえ、舞台はコーナーが4つあって、紛れも多い芝1800m戦。たとえ評価の低い馬でも、条件や展開次第では十分に上位進出の可能性がある一戦だ。

 過去の結果を見ても、しばしば波乱が起こっている。2008年は、6番人気のスマイルジャックが1着となり、2着にも11番人気のフローテーションが突っ込んできて、1番人気のショウナンアルバが3着に入ったものの、3連単は18万4520円の高配当となった。

 ならば、今年も”荒れる”ことを想定して馬券検討をしてみる価値はある。そこで過去10年の傾向を参考にして、上位に食い込んできそうな穴馬を探してみよう。

 まず着目したいのは、重賞経験豊富で、そこでもそれなりの走りを見せながら、低評価にとどまってしまうタイプだ。

 例えば、先述したスマイルジャック。同馬は、3走前のGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)で3着と善戦し、続く500万下特別では3着に終わったが、前走のGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)では再び2着と好走していた。

 だが、新馬戦以降はなかなか勝ち星を挙げられず、好走した重賞も「相手関係や展開に恵まれた」と見られて、6番人気という評価に甘んじた。

 昨年、6番人気で3着に入ったプラチナヴォイスも、2走前にGIII京都2歳S(京都・芝2000m)に出走して6着、前走のきさらぎ賞でも4着と健闘していた。ただこちらも、やや手薄なメンバーの中で勝ち切れなかったことが軽視されてか、伏兵扱いとなった。

 こういうタイプの馬は、派手さはないものの、きちんと実力は兼ね備えている。そのため、ときに人気の盲点となって上位に食い込むことがあるのだ。

 今回、このパターンにハマりそうなのは、カフジバンガード(牡3歳)か、ライトカラカゼ(牡3歳)か、といったところだが、ここでは重賞経験1戦ながらライトカラカゼを推したい。

 昨年6月にデビューした同馬は、その初陣で2着に敗れたあとに長期休養に入った。結局、未勝利を脱出したのは12月、3戦目のことだったが、その直後に挑んだGIII京成杯(1月14日/中山・芝2000m)で4着。中団からしぶとく伸びる走りは悪くなかった。

 それでも、この結果と内容が高い評価を受けることはないだろう。相手関係もあるが、ライトカラカゼ自身、決して派手な存在ではないからだ。

 おかげで、今回も人気は望めないが、こうしたやや地味な馬が過去にもこの舞台で好走している。また、中山・芝2000m戦を勝ち上がっていることを考えれば、軽視しすぎるのは禁物だ。

 続いて注目したいのは、直前に500万下を勝ち上がったばかりの人気薄馬である。

 2009年に8番人気で2着となったレッドスパーダは、デビュー戦を勝ったあと、2戦目の500万下特別では5着に終わったものの、3戦目の500万下を快勝してスプリングSに挑んだ。

 この時期に500万下を勝っているのだから、力があることは疑いない。しかしながら、父がマイル戦以下で活躍したタイキシャトルで、同馬もそれまでにマイル戦しか経験していなかったため、血統面から距離が200m伸びることが不安視されてしまった。

 2015年に5番人気ながら、断然人気のリアルスティールを2着に退けた、のちのGI7勝馬キタンサンブラックも、これに似たパターン。新馬、500万下と連勝していながら、短距離血統と見られて主力扱いされなかった。

 こうした傾向から、今年も直前に500万下を勝ち上がった馬。それでいて、人気が上がりそうもない馬を狙いたい。

 こちらも何頭か対象になりそうな候補はいるが、面白そうなのはハッピーグリン(牡3歳)だ。


決め手のある末脚を秘めたハッピーグリン

 地方競馬のホッカイドウ競馬に所属する同馬だが、2歳時からJRAの芝レースへチャレンジしてきた。その適性は高く、昨夏は札幌で行なわれたオープン特別に2度出走し、いずれも3着と健闘した。

 そして前走、東京開催の500万特別・セントポーリア賞(1月28日/芝1800m)に出走すると、見事な勝利を飾った。道中、しっかりと脚をためると、最後の直線で上がり33秒3の末脚を披露。中央の難敵にあっさりと競り勝って、改めて芝レースへの適性の高さを示した。

 この鮮やかな勝ちっぷりによって注目度は高まったが、それでも強豪がそろう皐月賞トライアル。1、2を争うような人気は得られないとみる。とすれば、大金星獲得まで見越して、ハッピーグリンの一発にかけてみるのも悪くない。

 さらに、スプリングSでは500万下の勝ち馬だけでなく、2着好走馬が穴を開けるケースも結構ある。

 2011年に8番人気で3着となったステラロッサ、2012年に10番人気で3着に入ったロジメジャーらがそうだ。

 つまり、500万下で2着に敗れた馬でも、そこで僅差の勝負を演じていれば、勝ち馬と同等の力があるということ。持っている素質や展開によって、重賞でも上位に食い込むことができるのだ。

 そんな激走を期待できる馬が今年もいる。マイネルファンロン(牡3歳)である。

 同馬は、前走の500万下特別・フリージア賞(2月17日/東京・芝2000m)で2着。勝ったギベオンとはコンマ1秒差で、勝ちに等しい内容だった。

 また、マイネルファンロンは昨年9月以降、4戦1勝という成績ながら、2着2回、3着1回と大崩れしたことがない。その安定感も大きな魅力だ。

 ある程度の実力を秘めながら、同馬は人気馬の影に完全に隠れてしまっている存在。マークが薄い中、知らぬ間に上位に食い込んでいても不思議はない。 まもなく始まる春のGIシリーズ。その資金を増やすためにも、ここでぜひともオイシイ馬券をゲットしたいところだ。

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