今週末18日、中山競馬場で3歳重賞・GIIスプリングS(芝1800m)が行なわれる。このレースは、牡馬クラシック第1弾・GI皐月賞(4月15日/芝2000m)のトライアルレースで、3着以内に入れば同レースの優先出走権が与えられる。

 今年の3歳牡馬クラシック戦線は、2歳王者ダノンプレミアム(牡3歳・中内田充正厩舎)とGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)の勝ち馬であるワグネリアン(牡3歳・友道康夫厩舎)の2頭が有力と見られていた。

 2頭は3月4日のGII弥生賞(中山・芝2000m)で激突。本番を前に”頂上対決”と目されたそのレースで、ダノンプレミアムがワグネリアンに1馬身半差をつけて勝利している。本番も2頭には人気が集まりそうだ。

 今回のスプリングSは、弥生賞組と、年末のGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)を勝ったタイムフライヤーに続く3〜4番手グループと見られている馬たちの争いとも言える。しかし、クラシック戦線は例年、直前で一気に力をつけて台頭してくる馬も少なくない。そんな馬の出現に期待して、このレースに注目してみよう。


2歳GI で2着、上位人気が予想されるステルヴィオ

 今回、中心視されそうなのがステルヴィオ(牡3歳・木村哲也厩舎)。6月の新馬戦(東京・芝1600m)、OPコスモス賞(8月12日/札幌・芝1800m)を連勝し、GIIIサウジアラビアロイヤルC(10月7日/東京・芝1600m)、GI朝日杯フューチュリティS(12月17日/阪神・芝1600m)で連続2着。4戦無敗のダノンプレミアムにしか負けておらず、3歳牡馬のトップクラスに位置する存在だ。

 父はGI香港スプリントを連覇し、GI6勝を挙げた名スプリンター、ロードカナロア。現3歳が初年度産駒の新種牡馬で、昨年は新種牡馬チャンピオンに輝いた。年が明けてからはアーモンドアイがGIIIシンザン記念(京都・芝1600m)を、アンフィトリテがOPマーガレットS(阪神・芝1200m)を勝利するなど、産駒の好成績が続いている。

 産駒の芝の距離別成績を見ると、全46勝中約46%の21勝が1600m。勝率も22.8%と高い。以下、1400mが12勝、1200mが10勝で、全体の約96%にあたる44勝が1600m以下となっている。1800mでは2勝で、勝率は8.7%と、1800mを超えると明らかに成績が落ちている。ちなみに2000mは17戦して2着2回の未勝利だ。

 ステルヴィオはコスモス賞で1800m戦を勝利しているが、2歳8月と早い時期のレースなので強い相手も揃わず、距離適性ではなく完成度と絶対能力の高さで勝ったレースと言える。この時期になり、皐月賞を目指す馬と、直線に急坂のある中山のタフなコースで対戦するのは意味合いが大きく異なってくるだろう。脚質的に後方からレースを進めるタイプで、中山コース向きでないこともあり、スンナリと勝利を飾るのは簡単なことではないと見ている。

 そこで筆者が狙いたいのはエポカドーロ(牡3歳・藤原英昭厩舎)だ。昨年10月の新馬戦(京都・芝1800m)は3着と敗れたが、約3カ月ぶりの2戦目(1月21日/京都・芝1600m)を逃げ切って初勝利。続くあすなろ賞(2月10日/小倉・芝2000m)でも軽快にハナを奪い、2着以下に3馬身半差をつける完勝で2連勝を果たしている。

 父はクラシック三冠馬オルフェーヴル。先述のロードカナロアとは同い年で、同じ年に種牡馬入りし、オルフェーヴルは最優秀2歳牝馬ラッキーライラックを出した。現役時代、オルフェーヴルはクラシック〜中長距離戦線、ロードカナロアは短距離〜マイル戦線を進み、相まみえることはなかったが、産駒同士はこうして同じレースで戦っていく。種牡馬としてはライバル同士になっていくわけで、このように父馬の経歴を踏まえながら競馬を見ると面白いものである。

 エポカドーロの母ダイワパッションはGIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)、GIIIフェアリーS(中山・芝1200m)の勝ち馬。2歳秋から重賞2勝を含む4連勝を果たしたが、その後勝利を挙げることはなかった。

 一方、父オルフェーヴルが快進撃を始めたのは7年前のスプリングS。東日本大震災の影響で阪神開催ではあったが、このレースで重賞初制覇を飾り、そこからクラシック3冠と有馬記念を含む6連勝。一気に名馬へと成長した。

 早熟だった母、3歳春からに急激に力をつけた父。両親のピーク時と飛躍の時が、まさしくこの3歳3月という時期だ。エポカドーロも3カ月ぶりの実戦となった前々走で体重を14kgも増やしていたように、昨秋からの成長が著しい。力強い差し脚が武器だった父とは異なり、逃げる競馬で結果を残していてタイプは違うが、先週のGIII中山牝馬S(中山・芝1800m)でも6番人気のカワキタエンカが逃げ切ったように、このコースは先行力が大きな武器になる。父と同じく、このレースが飛躍の舞台となる可能性は高いだろう。期待したい。

 最後に人気を集めそうなルーカス(牡3歳・堀宣行厩舎)にも触れておこう。東京スポーツ杯2歳Sではワグネリアンの2着に入ったが、前走のホープフルSでは2番人気ながら6着と敗れ、それ以来約3カ月ぶりの出走となる。全兄モーリスもこのレースで4着に敗れ、4歳になってからGIを6勝する名馬に育ったように、この血統の本格化はまだ先だろう。今回は押さえの評価としておきたい。◆タイムフライヤーは、もうGI馬なのに「よくなるのはダービーの頃」>>

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