「はっきりNOと言える力も必要」「でもYESっていうのもひとつの選択」。“枕営業”に関し、オスカー女優スーザン・サランドンがひとこと発言。

 

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英BBCラジオ5・ライヴに登場したハリウッド女優のスーザン・サランドン。映画業界にはびこるセクハラ問題や男女格差について語ったそう。

番組のプレゼンターを務めるアンナ・フォスターに、キャスティング・カウチ(枕営業)について聞かれたスーザンは「キャスティング・カウチがなくなることはないと思うわ。不要な交換条件はなくなるかもしれないけど」とコメント。また性的な魅力をまとったり、権力に惹かれたり、権力をもつ人と性的関係を持ちたいと思うことは悪いことではなく、「それもひとつの選択だから」と説明した。

ただキャスティング・カウチを行ったことを暴露したり、ハーヴェイ・ワインスタインのように弱みにつけこんで嫌がらせを繰り返すことにはもちろん反対のようで「それはあまりに卑劣」と批判。「誰だってプレッシャーは受けたくないもの。だからはっきりNOと言える力も必要なの」「でもYESっていうのもひとつの選択。なかには自分の気持ちが分からない、どうしたらいいのか分からないという女性もいると思うわ」。

 

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それからハリウッドの男女格差の話題に。アンナがギャラ格差の解消を訴え、共演男優からサポートを受けたエマ・ストーンについて触れると、スーザンは「私も同じような経験をしたことがあるわ」と語り、過去に俳優のポール・ニューマンが自分のギャラをスーザンに分けてくれたことを告白。

スーザンの口から具体的な作品名が語られることはなかったけれど、おそらく1998年の映画『トワイライト 葬られた過去』の撮影現場での出来事だと予想されている。制作側は、2人の俳優(ポール・ニューマンとジーン・ハックマン)に対し、同額のギャラを支払い。でもスーザンのギャラだけはるかに少なかったという。「どうやら2人の契約には、最恵国待遇条項(favoured nations=取引相手に、新たな第三者と同じ優遇措置を維持させる約束)が盛り込まれていたみたい。最恵国待遇条項とは、プロデューサーと役者の間で交わされるもので、それぞれの役者たちに対し同額のギャラが約束されている」「でもポールがそのことを知ると『じゃあ、僕のギャラを分けてあげるよ』と言ってくれたの。彼は本当に素晴らしい人間だったわ」

ハリウッドでは先日、男性たちによるセクハラ撲滅運動「#AskMoreofHim」がスタートしたばかり。その運動に関わっている男性の数はまだまだ少ないけれど、ポールのようにハリウッドで活躍する女性たちをサポートしたいと思う男性たちが増えているもよう。この動きは他の国にも広がっていくのか、期待したいところ。

Photos: Getty Images Translation: Reiko Kuwabara From Harper’s BAZAAR UK