3月11日に行なわれるGII金鯱賞(きんこしょう/中京・芝2000m)は、GI大阪杯(阪神・芝2000m)のステップレースとして、昨年からこの時期の施行へと変わった。

 そして、その昨年は波乱の結末だった。

 勝ったのは1番人気のヤマカツエースだったが、2着に7番人気のロードヴァンドールが逃げ粘り、3着には13番人気のスズカデヴィアスが突っ込んできた。その結果、3連単は19万2050円の高配当となった。

 移設2年目の今年も、大阪杯を目指す強豪が集結。GI2勝のサトノダイヤモンド(牡5歳)をはじめ、昨年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)2着馬スワーヴリチャード(牡4歳)に、前年の覇者ヤマカツエース(牡6歳)と、一線級が顔をそろえた。

 各々の実績を考えると、その壁はかなり厚い。しかし昨年も、実績のある有力馬や評判馬が数多く出走しながら”荒れた”。その前例を踏まえれば、今年も波乱があってもおかしくない。

 そこで今回も、昨年の結果を参考にして、穴を開けそうな伏兵馬を探してみたい。

 まずは、昨年2着のロードヴァンドール。同馬は、前年の11月に1000万条件を勝ち上がった。その後、昇級初戦の1600万特別(12月)では3着に終わったものの、年明けに再び挑んだ1600万特別(1月)では見事に勝利を飾って、オープン入りを果たした。

 すると、すかさずGIII小倉大賞典(小倉・芝1800m)に挑戦。4着と善戦し、重賞でも戦える力があることを示した。そしてこのあと、金鯱賞に出走して波乱の一端を担った。

 この成績からわかることは、同馬にはとにかく”勢い”があったということ。1000万下から重賞まで順調にステップアップし、そのつど好走を重ねてきた。

 今回、似たようなタイプがいないか探してみると、1頭の馬に目がとまった。メートルダール(牡5歳)である。


上り調子のメートルダール

 同馬は、昨年2月に1600万条件をクリアすると、続くGIIIの新潟大賞典(5月7日/新潟・芝2000m)で3着と好走。ロードヴァンドール同様、いきなり重賞で通用する力を見せた。

 その後、クラス再編成(※年齢と収得賞金によるクラス〈=条件〉分け)によって再び1600万下の身となったが、降格直後の1600万特別・多摩川S(6月11日/東京・芝1600m)を快勝。すんなりとオープン馬に戻ってきた。

 直後のGIII関屋記念(8月13日/新潟・芝1600m)こそ12着に敗れたものの、休養を挟んで臨んだGIII中日新聞杯(12月9日/中京・芝2000m)を完勝。初の重賞制覇を遂げた。

 昨年オープン入りしてから一度は大敗を喫したが、着実にステップアップを重ねてきている。勢いは十分にある。しかも、前走で重賞を勝っている分、ロードヴァンドール以上に、好結果への期待が膨らむ。

 それでも、ロードヴァンドールがそうだったように、今回はメートルダールも冒頭で記した有力馬に比べて「一枚下」と見られている。おかげで、最近はずっと1、2番人気だった同馬でも、そこまでの人気にはならないのではないだろうか。

 ならば、なおさら今回が狙い目だ。”大物食い”まで見込んで、1着候補として狙ってみても面白いかもしれない。

 続いて、昨年3着のスズカデヴィアスについて。同馬は2年前のGII京都記念(京都・芝2200m)で2着になるなど、もともと重賞で通用する地力を見せていた。

 しかし、そのレース以降は長いスランプに陥った。掲示板にも載れない結果が続き、途中ダート戦を挟むなど、陣営も試行錯誤を繰り返していた。

 そこから復調気配を見せたのは、2走前のオープン特別。久々に掲示板に載る5着と健闘した。そして、続く前走のオープン特別・白富士S(東京・芝2000m)では勝利を飾って、スランプからは完全に脱したようだった。

 迎えた金鯱賞。勝てない時期が長かったこともあって、前走の勝利はさほど評価されなかった。あくまでもメンバーが手薄なオープン特別の結果にすぎない、ということもあっただろう。また、それ以上の実績馬がズラリと名を連ねたこともあって、低評価に甘んじた。

 だが、そもそも重賞で勝ち負けするほどの地力を秘めたスズカデヴィアス。復調し、力を出し切ったことによって、3着に入線し穴を開けた。

 今回もこうした、長いスランプに陥っている実績馬で、復調の兆しを見せている馬はいるのだろうか。改めて出走馬を見渡してみると、スズカデヴィアスと同じような気配を漂わせている馬が1頭いた。

 デニムアンドルビー(牝8歳)である。

 牝馬限定のGIIを2勝し、GIジャパンカップ(東京・芝2400m)やGI宝塚記念(阪神・芝2200m)でも2着になるなど、輝かしい実績を持つが、その宝塚記念(2015年6月)2着以来、これといった結果を残せずにいた。

 それが、2走前のGIIIチャンレンジカップ(12月2日/阪神・芝2000m)で久しぶりに奮闘。後方からポジションを上げると、勝ち馬からわずかクビ差の2着と好走したのである。

 続く前走のGIII中山金杯(1月6日/中山・芝2000m)では7着に敗れたものの、これも勝ち馬からは僅差のコンマ3秒差。着順ほど負けてはいなかった。

 2戦連続でいい脚を使って、まさに復調気配にあると言っていい。このレースぶりから、スズカデヴィアスと同様の激走も期待できる。

 デニムアンドルビーにとって、金鯱賞は引退レースとなる。だが、気配は”上向き”。最後に大仕事をやってのけ、有終の美を飾っても不思議ではない。 はたして、金鯱賞は2年連続の波乱となるのか。現役屈指の大物たちの走りも気になるところだが、馬券では違った意味での”大物”狙いに徹するのも悪くない。

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