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(写真上)古民家風のゲストハウス「somos(ソモス)」。

今、日本はホテルの開業ラッシュ。2020年に控える「東京オリンピック」の開催を前に、東京はもちろん、日本全国でコンセプチュアルなホテルが続々とオープンしている。なかでも、ここ最近、存在感が高まってきているのが、沖縄だ。2018年夏には、「ダブルツリー・リゾートbyヒルトン沖縄北谷」、「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTSを沖縄・宜野座」が相次いでオープンを予定2019年には、「ハレクラニ沖縄」の開業が控えている
沖縄県庁が発表している、最新(2018年1月)の「入域観光客統計概況」によれば、2018年1月まで、沖縄県入域観光客数は51ヵ月連続して過去最高を更新。特に8月は月間100万人を突破し、単月での過去最高を更新した。海外からのクルーズ船の寄港回数の伸びや、2017年11月にジェットスターが、シンガポール直行便の運行を開始するなど、国際線の増便・新規就航などが後押ししているのだろう。

宿泊予約サイト「Booking.com」も、沖縄での宿泊予約件数の大幅な伸びを受け、2015年11月に沖縄・那覇に営業所を新設。同社で予約可能できる沖縄県内の宿泊施設は1200軒を超えた(2017年12月現在)。2016年1月の約400軒から、2年間で3倍に伸びている計算となる。ブッキング・ドットコムの沖縄地区の責任担当者、山上洋平さんは、「国内の観光客の伸びもありますが、インバウンドの勢いが増していますね。平成25年度は、海外の観光客数は全体の1割でしたが、平成29年度前半では3割にまで伸びています」と語る。旅行形態の変化も大きいようだ。「個人旅行も増加してきています。2000年は団体旅行のお客様が80%、個人旅行のお客様が20%でしたが、2016年には全体の49.3%が個人旅行のお客様というデータが出ています」(山上さん)。
また、同社のデータによれば、日本の宿泊施設の形態は、日本全体で見れば、ホテル、旅館、ゲストハウス、アパートメント、ビジネスホテルの順番に多いのだが、沖縄ではゲストハウスの数が、わずかながらホテルの数を上回るそうだ。

独自のスタイルを持ち、また、年々、変化を遂げている沖縄の宿泊施設のなかでも、いま注目すべき、特徴的な5軒をたずねた。


本格コーヒーが楽しめるカフェを併設した、おしゃれなドミトリー

2017年9月に、沖縄本島中部、北谷(ちゃたん)にオープンした、「AIEN(アイエン)」は、地元の人なら知らぬ者はいないという、旧「海岸倉庫」跡地をリノベーションした、カフェ&ドミトリーだ。

まったく別の仕事をしていた幼稚園の同窓生の2人と料理担当者がそれぞれの得意分野をいかし運営している。「アイエン」という名前は、不思議なめぐり合わせを意味する「合縁奇縁(あいえんきえん)」に由来。店主のひとりはバリスタでもあり、地元の人々には、おいしいコーヒーが飲めることでも話題のスポットとなっている。ワンコイン(500円)からいただける朝食も、早くも地元の人々を中心に絶大な支持を集めているそうだ。

米軍基地が近いこととから外国人の在住者も多く、朝からがっつり食べたい彼らのために、チキンステーキ付きのプレートも用意。地元の主婦に好評のランチや、お酒とおつまみが楽しめる夜のメニューなど、それぞれの時間でそれぞれの過ごし方ができるのがうれしい。

カフェエリアの奥にある宿泊施設は全4室。うち2つは4名まで利用できる個室となっている。最安値となる男女共同のドミトリーは1泊2,800円から。どの客室もベッド部分は畳敷きで、そこに布団を敷いて寝るかたちになる。オーナーが、「どうしても畳を使いたかったんです」と、特注でオーダー。オープンの数日前にようやく完成したというが、なるほど寝心地が良さそうだ。観光客だけでなく、飲んだ後にそのまま泊まっていく人も多いそう。ドミトリーに抵抗がある女性も多いが、女性専用の部屋もあり、とにかく清潔。ここなら心地良く過ごせそうだ。

INFO:
AIEN Coffee and Hostel(アイエン コーヒー アンド ホステル) 
住所:沖縄県北谷町港6-9
Tel:098-989-1430
料金目安:ドミトリー2,800円〜

オーシャンビューの高台に位置する、琉球コロニアルの癒しの宿

「somos(ソモス)」は、ユネスコ世界遺産今帰仁城跡のすぐ近く、今帰仁村兼次(カネシ)地区の小高い丘の上に位置するゲストハウスだ。客室数はわずか2部屋。日本人のご主人、伊藤秀樹さんと、キューバ人の奥さん、アイレンさんの2人が営む。

「キューバと沖縄の雰囲気をあわせもつ場所にしたい」という2人の思いをかたちにするため、基礎はプロの職人さんにお願いしながら、細かい内装は自分たちで仕上げたそうだ。広々とした2部屋の客室はどちらもロフト付き。どちらの部屋からも紺碧の海がのぞめ、部屋を出ずにゆるゆるとした時間を楽しむ人が多いというのも納得だ。

それぞれ雰囲気は異なる客室は、スペイン語で土曜日と日曜日という意味を持つ、「Sabado(サバド)」、「Domingo(ドミンゴ)」と名付けられており、サバドはアイレンさんが、ドミンゴは伊藤さんがインテリアを選んだ。

公共のスペースにも緑が多く配され、敷地内のすべてが憩いの場となっている。ブランコやベンチも配されている。庭でちょっとしたライブを開催することもあるそう。

また、こちらでは朝食も楽しみのひとつ。アイレンさんが手作りする、島野菜をふんだんに使った朝食は、ほかでは味わえないオリジナリティあふれるもの。伊藤さんも「おいしいですよ」と自信をのぞかせる。解体された古民家の古材を内装に用いるなど、アーティスティックな空間は南国らしいあたたかな色に彩られ、沖縄の自然にすっと、穏やかにとけこんでいる。

INFO:
Somos(ソモス) 
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村兼次271-1
Tel:0980-56-1266
料金目安:1泊1名11,000円〜(2名1室利用の場合)

人里離れたやんばる(山原)に佇む、森のリゾート

こんな山のなかにこんなモダンなホテルが? 那覇空港から車で約2時間、本島北部の今帰仁(なきじん)村に位置する「マガチャバル オキナワ」にたどりついたとき、多くの人がそう思うだろう。たとえば、コンクリートの打ちっぱなしを多用したデザインの建物は、ホテルではなく、芸術家の邸宅やモダンアートの美術館のようだ。

海は見えない。オーナーが、沖縄の森のなかで寛いでほしいという思いのもと、あえてこの地にリゾートホテルを建てたのは2015年のこと。コンセプトは、「どこにも似ない、ただひとつのスタイル」。ホテルの名前は、「曲茶原(まがちゃばる)」というこの一帯の地名から付けた。

敷地面積は207,000屐E豕ドームが4つ半ほど入る森の中に、わずか11室の、独立したヴィラタイプの客室を配している。占有の敷地面積は500平米で、部屋の広さは135平米から175平米。全室が長さ10メートルのプライベートプールを有している。プールは11月から4月までは温水となるため、1年中、遊泳が可能だ。プールの横には、森の香りや風の音を感じられるガゼボがあり、晴れた日の夜には、きらめく星が亜熱帯の漆黒の森に降り注ぐ。ヴィラ内でバーベキューを楽しむことも可能だ。レストランでは、地元の食材をふんだんに使用した「和琉イタリアン」をサーブ。新鮮なもとぶ牛、やんばる島豚あぐーなど、地元の新鮮で上質な素材を賞味できるのは、宿泊者だけの特権だ。

沖縄は日本で唯一、亜熱帯地域に位置する場所。沖縄の魅力は青い海だけじゃない。沖縄なら海という既成概念を正面から覆し、深い緑をたたえる、亜熱帯の森だということを思い出させてくれる。今度の沖縄旅行では、森のリゾートに足を伸ばしてみてはどうだろうか。

INFO:
MAGACHABARU OKINAWA(マガチャバルオキナワ) 
沖縄県国頭郡今帰仁村今泊2498
Tel:0980-56-1301
料金目安:1泊朝食付き78,410円~(2名利用時の1名料金。税・サービス料込)

(text by aya hasegawa)取材協力/宿泊予約サイト「Booking.com」

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