2018年クラシック候補たち
第5回:アンコールプリュ

 およそ1カ月後に開幕する春の3歳クラシック。基本的には2歳時から重賞やオープン戦で活躍してきた面々が主力と目されるが、成長著しいこの時期だからこそ、あとから頭角を現してきた”新星”が一気に勢力図をひっくり返すケースもある。

 3月11日に行なわれる桜花賞トライアル、GIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)に出走予定の馬の中にも、そんな青写真を描いている存在がいる。

 栗東トレセン(滋賀県)の友道康夫厩舎に所属するアンコールプリュ(牝3歳/父ディープインパクト)である。


NHKマイルCで2着となったアンコールプリュの兄ブラックシェル

 同馬は、GINHKマイルC(東京・芝1600m)で2着、GI日本ダービー(東京・芝2400m)で3着となった半兄ブラックシェル(父クロフネ)が上にいる良血馬だ。

 デビュー戦は、昨年12月3日の2歳新馬(阪神・芝1600m)。スタート後、3、4番手の好位につけると、直線を向いてからは一瞬前が壁になるシーンがあったものの、狭いところを抜け出してきて初陣をモノにした。

 だがそれよりも、この馬に対する評価が急上昇したのは、その2週間後に挑んだ2戦目の結果を受けてのことだろう。500万下特別のつわぶき賞(12月16日/中京・芝1400m)に出走すると、強烈な内容で連勝を飾ったのである。

 大外枠だったこともあり、先行した初戦とは違って道中後方の位置取りとなったこのレース。アンコールプリュは4コーナー通過時点では11番手というポジションにあったが、直線に入ると、大外から目の覚めるような末脚を披露して、前方馬群をあっさりと差し切ってしまったのだ。

 上位に入線した馬のほとんどが34秒台の上がりを記録する中、同馬がマークした上がりタイムは33秒5。その圧巻の脚力に、多くのファンが度肝を抜かれた。

 陣営も、この白星で一気に桜の舞台が浮かんだのだろう。そのまま休養に入って、フィリーズレビューで出走権獲得を目指すことになった。

 実際、アンコールプリュに対する厩舎の評価は相当なもの。桜花賞へ向けて、そのポテンシャルに絶大な信頼を寄せているようだ。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「420kg台と小柄な馬体ですが、スタッフは『(アンコールプリュは)とにかくバネがあって、根性も素晴らしい』と絶賛。『落ち着きがあって、道中も力まない。さらに体の使い方がうまいので、2戦目のように届きそうもない位置から届く』と、その能力の高さに目を細めています。つわぶき賞は、最後に全体のラップが上がっていますが、その流れを後ろからかわしてしまうのですから、本当に大したものですよね」

 厩舎から聞こえてくるのは称賛の声ばかりだが、現状で”課題”はないのだろうか。トラックマンが続ける。

「陣営としては『このまま順調にいければいい』と話していますから、取り立てて課題は見当たらないのではないでしょうか。確かに体は小さいですが、ディープインパクト産駒には小柄な馬が多いですし、現状のパフォーマンス自体がしっかりしているので、『急激な成長を求めるようなこともない』とスタッフは言っています。それだけ、自信がある証拠でしょう。フィリーズレビューの結果次第では、一躍桜花賞の有力候補になるかもしれませんよ」 トラックマンが言うように、ここで3連勝を決めれば、間違いなく桜花賞でも期待の1頭となる。トライアルで改めて実力の高さを示し、本番の舞台に駒を進めることになるのか。アンコールプリュの走りに注目である。

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