牡馬クラシックの第1弾となるGI皐月賞(4月15日/中山・芝2000m)を占ううえで、最も重要視されるトライアル戦、GII弥生賞(中山・芝2000m)が3月4日に行なわれる。

 今年は、例年にも増して好メンバーが集結。さながら”プレ皐月賞”と言ってもよさそうな一戦となった。

 なにしろ、現在3戦3勝とこの世代を引っ張る有力2頭が参戦するからだ。

 1頭は、2歳王者決定戦となるGI朝日杯フューチュリティS(12月17日/阪神・芝1600m)を圧勝したダノンプレミアム(牡3歳)。そしてもう1頭は、レースの格が上がるごとに後続との差を広げ、無類の強さを見せつけているワグネリアン(牡3歳)である。

 クラシックを前にして実現する頂上決戦に、競馬ファンの間では戸惑いと期待の混じった複雑な思いが充満している。

 そのうえ、この2頭に加えて新馬、500万下特別と完勝した評判馬オブセッション(牡3歳)に、昨年末のGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)で2着となったジャンダルム(牡3歳)までもが参戦。早くも世代の頂点を決めるかのような顔ぶれがそろい、クラシックの”プレ”感が一層強まっている。

 こうなると、伏兵馬が穴を開けることは考えづらい。現に、リオンディーズ(1番人気)、マカヒキ(2番人気)、エアスピネル(3番人気)の3頭が圧倒的な人気を形成した2016年は、その3頭が上位を独占(1着マカヒキ、2着リオンディーズ、3着エアスピネル)。穴馬の出番はまったくなかった。

 ただ、穴党であれば、はなからそのスタイルを諦めるべきではない。過去の弥生賞をさらにひも解くと、エピファネイア(1番人気)、コディーノ(2番人気)、キズナ(3番人気)といった3頭が断然の人気だった2013年は、思わぬ波乱の結末となっている。6番人気のカミノタサハラが1着、10番人気のミヤジタイガが2着に突っ込んできたのだ。

 ちなみに「3強」は、コディーノが3着、エピファネイアが4着、キズナが5着だった。

 過去10年の結果を振り返ってみても、7番人気以下が3着以内に入ったケースが8度もある。決して波乱の目がないわけではないのだ。

 そこで今回も、過去10年の結果を参考にして、果敢に穴馬候補を探していきたい。

 まずピックアップしたいのは、人気薄の2勝馬だ。

 2012年に9番人気で勝利したコスモオオゾラをはじめ、前述した2013年の勝ち馬カミノタサハラに、2着馬ミヤジタイガ、2015年に10番人気で3着に入ったタガノエスプレッソ、そして昨年のレースで8番人気ながら2着に入ったマイスタイルらは皆、弥生賞までに2勝を挙げていた。

 ただ、その内容が地味だったり、2勝目を飾ったあとに負けたりして、弥生賞では人気が上がらなかった。

 クラシックを前にしたこの時期は、無敗馬や重賞の好走馬が人気になるが、敗れたことがあっても、きちんと白星を積み重ねてきた馬も侮ってはいけないということだ。実力があるのは確かで、人気薄となれば、大いに狙う価値がある。

 今回、その視点から狙い目となるのが、サンリヴァル(牡3歳)だ。


中山・芝2000m戦で勝ったことがあるサンリヴァル

 昨年の9月初めに新馬戦を勝って、続くオープン特別の芙蓉S(9月24日/中山・芝2000m)も快勝し連勝を飾った。その後、休養を挟んで臨んだホープフルSでは4着に終わった。

 ここでの敗戦が響いて、今回は人気が上がりそうもない。しかし、休み明けのGIで4着なら、十分に健闘したと言える。また、派手な勝ち方はしていないものの、力がなければこの時期までに2勝は挙げられない。

 サンリヴァルはまさしく人気の盲点と言える存在。過去の傾向からしても、強豪相手に3着以内に入ってもおかしくない。

 次に穴馬のパターンを探ってみると、オープン戦や重賞実績が豊富で、勝つまではいかなくてもそこで善戦を繰り返している馬が波乱を起こしていた。2008年に7番人気で3着に入ったタケミカヅチ、2009年に7番人気で3着となったモエレエキスパート、2011年に7番人気で2着に入線したプレイなどがそうだ。

 だが、少頭数の今回はそれらと似た馬が見当たらなかった。そこで別のパターンを考えてみると、2010年に7番人気で3着となったダイワファルコンが目についた。

 同馬は、11月末にデビューして3着。12月の2戦目で初勝利を挙げ、年が明けて2月の500万下で2着となって、弥生賞に向かった。

 キャリアとしては3戦1勝。さすがにこの実績では人気にならなかったが、前走の500万下の2着もタイム差なしの接戦だった。デビュー戦も3着と奮闘しており、まだ底を見せてはいなかった。

 今回も、そんなダイワファルコンに似たような馬がいる。リビーリング(牡3歳)である。

 こちらも11月末の2歳新馬(11月26日/東京・芝1800m)でデビュー。その初戦を快勝すると、続く500万下のセントポーリア賞(1月28日/東京・芝1800m)でも2着と好走して、今回の弥生賞に挑む。

 負けなしメンバーがいる中で、人気は望めない。だが、同馬もダイワファルコンと同じく底を見せていない。キャリアは乏しくても、安定したパフォーマンスを続けているのは、地力がある証拠だろう。

 まして今回は、デビュー3戦目で一段と成長が見込める。その”上積み”に期待して、同馬の一発にかけてみるのも悪くない。 春のGIシリーズを前にして、それらと同レベルの注目を集める弥生賞。有力馬がきっちりと力を発揮して、盤石の態勢を築くのか。あるいは、意外な伏兵が波乱を起こして、勢力図を混沌とさせるのか。どちらにしても、決して見逃せない一戦であることは間違いない。

◆ダノンプレミアムとワグネリアン、弥生賞でわずかにリードはどっち?>>

◆あのワグネリアンが「よりダイナミックになった」との情報をキャッチ>>

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