同じレベルの「いじめ」でも、学校によって1日で解決したケースもあれば、生徒を2年近くも不登校に追い込んでしまうケースもあるといいます。この違いは一体何なのでしょうか。今回の無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、いじめを長引かせてしまった教師が漏らした本音や対応を例に挙げ、今後教育委員会と一丸となって変えていくべき学校の体質について考察しています。

いじめ対処はやりたくない?

三学期もあと1カ月、いじめ相談が増える時期です。「卒業式までに、何とか解決したい」というご相談です。いじめは早期発見、早期解決が大事といわれているのですが、実際には、いじめ対処を先延ばしにしているかのようなケースもあるようです。

最近の報道でも、神奈川県茅ケ崎市で、教師がいじめを見て見ぬふりをしたため、市立小学校の4年生の男子児童が、2年間近くも不登校になっていることが明らかになりました。男子児童は2年生の時、複数の同級生から、「おまえは俺のおもちゃだ」などと言われたり、馬乗りになって殴られたり、ズボンを脱がされたりするなどのいじめを繰り返し受けていました。

児童が不登校になった後、担任教諭は、「けんかになっていた認識はあるが、いじめとして気付けなかった」と学校に話し、保護者にも同様の説明をしていました。しかし、市教委の第三者委員会による調査開始後になって、「いじめだったと認識していたが『遊びの延長だ』と思い込むことで、いじめを見て見ぬふりをして何事もなかったかのように過ごしていた」「注意するのが面倒になった」などと説明を変えました。市教委は、不適切な対応と虚偽報告をしたとして、担任教諭を文書訓告、指導が不十分だったとして当時の校長を厳重注意にしました。

「注意するのが面倒」というのは、教師の本音なのかも知れません。学校の先生は忙しいし、いじめ加害児童生徒の中には注意してもなかなか言うことを聞かない子もいるでしょう。

しかし、いじめは学校で起きています。学校でおきている以上、教師しかいじめを解決できません。また、いじめは加害者によって行われていますので、加害者にいじめをやめさせなくてはいじめ解決にはなりません。教師が、「注意するのが面倒」として、いじめを見て見ぬふりをしていたら、いじめはおさまらず、前述の事件のように、被害者が学校に来られなくなるまでいじめは続きます。

「注意するのが面倒」とか、「教師がいじめを見て見ぬふり」などということは、許されないことです。「いじめ防止対策推進法(いじめ対策法)」は、いじめ防止やいじめ対処のための対策は、いじめを受けた児童生徒の生命および心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない、と基本理念を定めています(同法3条3項)。

同法は、児童生徒がいじめを受けていると思われるときには、学校や教師は適切かつ迅速にこれに対処すべきと義務を定め(同法8条)、学校は、児童生徒、保護者、教職員が、いじめに係る相談ができる「相談体制」を整備するものとし(同法16条3項)、いじめがあったと確認された場合には、学校はいじめをやめさせると義務を定め、さらに、再発防止のために、いじめ被害児童生徒や保護者に対する支援、いじめ加害児童生徒への指導等を継続的に行うことを義務付けています(同法23条3項)。いじめ被害者をいじめから救うことが「いじめ対策法」の理念であり、存在意義なのだと思います。

いじめは、やる気のある学校ではすぐに解決します。担任に相談したら校長先生が動いてくれて、1日で解決したというケースも少なくありません。ただ、中には、保護者が担任や校長に相談しても、なかなかいじめ解決に動かない学校もあるかと思います。その場合には、公立学校であれば教育委員会に相談することが効果的です。

いじめの早期解決に向けてご相談を受けています。ご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク

松井 妙子

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